研究課題/領域番号 |
19K17674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村瀬 公彦 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40791968)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 糖尿病 / 尿中アルブミン / 遺伝リスク / 遺伝的リスク |
研究開始時の研究の概要 |
大規模ゲノムコホートにて、糖尿病の発症・増悪における睡眠時無呼吸症候群(SAS)の寄与を横断かつ縦断的に解析する。SASは糖尿病の危険因子とされているが、その寄与度は個人の遺伝背景によって大きく異なる可能性がある。申請者のグループは一般人口約7,000人の客観的睡眠データを有している。このコホートにおいて、ゲノムワイド関連解析のメタ解析で同定された約40個の糖尿病疾患感受性遺伝子を分析する。次に、遺伝的リスクスコア(GRS)を算出し、SASと糖尿病の関係が糖尿病のGRSによって変動するかを解析する。さらに、GRSとSASの臨床指標を組み合わせて糖尿病発症・増悪を予測するアルゴリズムを作成する。
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研究実績の概要 |
1) 一般人口を背景とした約7,000人の大規模ゲノムコホートにて、微量尿中アルブミン量と睡眠呼吸障害(Sleep disordered breathing: SDB)の関連性を検証した。多変量解析にて、SDBの重症度の指標である3%酸素飽和度低下指数(oxygen desaturation index: ODI)は尿中アルブミン量に対して独立した正相関を認めた。(β = 0.07, p < 0.001) さらに、3%ODIと平均血圧は尿中アルブミン量へ正の交互作用を有することが示された。(β = 0.08, p < 0.001) また、媒介解析によって、SDBは夜間の高血圧とは別の機序で尿中アルブミン上昇に寄与していることが判明した。この結果は米国胸部疾患学会誌に報告した。(Murase K, Matsumoto T, Tabara Y et al. Ann Am Thorac Soc. 2022 Mar;19(3):451-461.) 2) 上記コホートにおいて、SDBと血中ヘモグロビン濃度の関連を検討した。閉経後女性および男性では両者に有意な関連は認めなかったが、閉経前女性ではヘモグロビン濃度の低下とSDBに関連がみられた。この結果は第63回呼吸器学会総会にて発表した。さらに交絡因子を追加した解析を実施し、2024年European Respiratory Society Annual Meetingにて発表予定であるとともに論文作成中である。 3) 2019年~2023年に上記約7,000人のコホートにおいて、前回評価より5年間の間隔をおいてSDB重症度の再度の評価を完了した。今後データの詳細解析をすすめ、SDBの重症度が縦断的にいかに変化するかを評価し、SDBの経年悪化に影響する危険因子を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019-2023年において大規模コホートにおける、SDBの再評価を完了した。パンデミックにより,フィールドでの作業を一時中断させる必要があったが、最終的にはデータ取得を完了し、おおむね順調に進んでいると考える。今後、データの検証・解析を進め、学会発表・論文発表を目指していく。また、取得済みであったデータを用いて、既に論文を報告し今後も新規の報告を行う予定である。 上記の状況から、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2019-2023年度において、一般人口を背景とする7,000人規模のコホートにおいてアクチグラフ・パルスオキシメトリ・睡眠日誌を用いて、SDBの重症度に関する縦断的なデータ取得を完了した。今後、このデータの解析を進め、SDBが時間経過とともにどのように進行しているのかを明らかにしていく。SDBの進行に関与する危険因子の解明の検証も同時に行っていく。 また、同コホートにおいて、一糖尿病の発症・増悪に対し、糖尿病の遺伝背景とSASがどのように寄与しているか検証する。糖尿病に関与すると考えられる80個以上の一塩基多型から、Polygenetic risk score (PRS)を算出し、糖尿病の遺伝背景とSDBが将来の糖尿病発症にどのように寄与しているかを縦断的に解析していく。
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