研究課題/領域番号 |
19K17697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平川 陽亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10780736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低酸素 / 低酸素応答因子 / 尿細管細胞 / 慢性腎臓病 / 酸素勾配 / りん光 / 酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病の進行には酸素の減少が深く関与しているため、腎臓における酸素の測定は今後の慢性腎臓病の進行抑制の方策検討のため重要である。申請者はこれまでに腎臓における酸素測定法を開発しており、腎臓においては、近い領域でも酸素濃度が異なる、酸素勾配が存在することを示した。これを発展させ、 1.腎臓病において酸素勾配が変化することを実証する 2.酸素勾配がどのように腎臓病の進行に関与するかを示す 3.ヒト腎臓においても酸素勾配の影響があることを示すための基盤として、ヒト尿からの尿細管細胞同定の方法を確立する という3点を目標として研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究で、申請者は培養尿細管細胞における酸素勾配の存在の意義について検討した。申請者は培養尿細管細胞における、酸素勾配を有する培養系を確立し、低酸素への細胞の反応である低酸素応答因子の挙動について検討した。均一な酸素状態においては、低酸素応答因子は低酸素であるほど発現が増加するが、酸素勾配を有する場合は極度の低酸素下では低酸素応答因子の発現がかえって減少する現象が認められた。この現象の理由としてpHが重要であることを発見し、低酸素応答因子の発現には酸素と酸塩基平衡の両者が密接に関与することを提唱した。この結果は学術論文として発表した(Physiol Rep. 2021 ;9:e14689)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病は未だ根治が得られていない疾患である。慢性腎臓病の進行には腎臓における低酸素が密接に関与することが既に知られているが、生体内において、実際にどの部位が低酸素を生じており、そして生体内で低酸素がどのような影響をもたらすのかは未だ明らかになっていない。申請者は、生体内酸素イメージング法を用いて生体の腎臓において酸素勾配が存在することを明らかにしており、これまでの培養細胞を用いた結果が正しく生体内の事象を模しているかに疑問を持った。本研究は、より生体を模した細胞の培養法を用いた検討で、従来の培養細胞とは異なる結果が得られており、今後の培養細胞を用いた検討のあり方に一石を投じるものである。
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