研究課題/領域番号 |
19K17701
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原 怜史 金沢大学, 医学系, 助教 (80749820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ポドサイト / galectin-8 / integrinα6 / Integrin / 糸球体硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
糸球体硬化は様々な腎疾患の終末像であり、その病態形成には糸球体ポドサイト(Pod)の傷害および糸球体基底膜からの剥離によって蛋白尿が出現することが重要である。Podが糸球体基底膜に接着するためにはintegrin(ITG)が主な役割を有しており、主要なITG α3β1を中心に研究がなされているが、特異的治療には繋がっていない。本研究の目的は、まだ解明されていないITG α6β1およびそのリガンドであるgalectin-8の糸球体疾患における役割を解明することで、Pod傷害および剥離の新たな機序を解明し、ITGを標的とした新たな特異的治療の開発へ繋げることである。
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研究実績の概要 |
ラット由来EA-1 hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養を行ったが、高密度培養に用いたhybridoma上清中のラットIgG2a濃度は約3.7ng/mLと濃度が低いことにより十分な収量を得ることができなかった。より分泌濃度の高いhybridomaのクローンを選択し直すためにクローニングを行い、分泌濃度の高いクローンを同定した。現在、これらのクローンを用いて再度高密度培養を行っている。今後、十分量のintegrinα6抗体が得られれば、マウスへ投与し、病理学的解析を行う。 また、これまでの実験結果により、蛋白尿が出現する様々な糸球体疾患においてgalectin-8の発現が亢進していたことから現時点の仮説として、ポドサイトにストレスがかかったり障害される状況においてgalectin-8が発現し、ポドサイトに対して保護的ないし侵襲的な役割を有すると考えられる。この仮説を検証するために、ヒト培養ポドサイトにアドリアマイシンを投与してポドサイトを障害させた際に、ポドサイトのgalectin-8発現が亢進するかどうかをウエスタンブロッティングで検討したところ、アドリアマイシン投与12時間、24時間と時間が経つにつれてポドサイトにおけるgalectin-8の分泌が低下していた。アドリアマイシンによりポドサイトは壊死することからgalectin-8が分泌できなくなる可能性を考え、今後はpuromycinによる軽度のポドサイト障害モデルで検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット由来EA-1hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養による精製・収集が完了しておらず、マウスへの投与実験へ至っていない。また、培養ポドサイトにおけるアドリアマイシン以外のポドサイト障害によるgalectin-8分泌の評価が完了していない。
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今後の研究の推進方策 |
ラット由来EA-1hybridomaからのintegrinα6抗体の高密度培養による精製・収集を早急に進める。integrinα6抗体の高密度培養による精製・収集が完了し次第、マウスへの投与実験を行い、ポドサイトにおけるintegrinα6およびgalectin8の機能解析を進める。同時に、培養ポドサイトにおけるポドサイト障害によるgalectin-8分泌の評価を進める。
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