研究課題
若手研究
糖尿病性腎臓病は末期腎不全の主要な原疾患だが、有効な治療法は確立されていない。本研究では、アンジオテンシンIIの新規エフェクターとして同定されたユビキチンリガーゼ構成分子Kelch-like 3(KLHL3)による機能異常に焦点をあて、糖尿病性腎臓病における役割を尿細管構成細胞および免疫細胞を中心に解析する。また本研究で得られた知見を臨床へと展開するため、糖尿病性腎臓病を含む各種腎臓病の腎生検検体を用いたKLHL3活性の変化についても解析を計画する。本研究により糖尿病性腎症におけるKLHL3の病的役割が明らかとなれば、新たな治療標的分子の同定も期待できる。
本研究では、アンギオテンシンⅡの新規エフェクターであるユビキチンリガーゼ構成分子Kelch-like 3 (KLHL3) のリン酸化に焦点を当て、糖尿病性腎臓病との関連を解析した。糖尿病モデルマウス(db/db)の遠位尿細管に加えて、ヘンレ係蹄太い上行脚(TAL)にもKLHL3-Ser433のリン酸化シグナルが認められ、また同部位に発現するNKCC2の発現亢進も認められた。さらに、ヒトにおけるリン酸化KLHL3の存在を検討し、ヒト腎生検検体ならびに尿exosome分画 でリン酸化KLHL3を検出した。
本研究では、糖尿病性腎臓病におけるKLHL3リン酸化の病的役割について検討し、病態の一端を解明した。また、ヒトにおいて腎臓と尿exosome分画でKLHL3リン酸化を検出したため、今後の臨床応用が期待できる。
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