研究課題/領域番号 |
19K17726
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
角谷 裕之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70509265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 腎間質線維化 / 一酸化窒素(NO) / 内皮機能障害 / 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC) / wnt/β-catenin / eNOS / sGC活性化薬 / Wnt/β-catenin / 一酸化窒素(NO) / wnt/beta-catenin経路 |
研究開始時の研究の概要 |
CKDは国民の健康寿命延伸の阻害要因であり、その基盤病態の解明と有効な予防・治療法開発が喫緊の課題である。CKDの主たる原因疾患である糖尿病、高血圧、加齢には共通して血管内皮障害を伴う。一方、腎間質線維化は進行性腎機能障害の共通した責任病態であり、血管内皮障害と線維化との間に病因的双方向関係が存在する蓋然性は高い。Wnt/β-catenin経路が臓器線維化に重要な役割を果たすことも判明している。本研究の目的は「内皮NOS-NOシグナル伝達経路がWnt/β-catenin経路を抑制的に制御しており、本経路の破綻が腎間質線維化を促進する」の仮説検証を通してCKD治療戦略立案に資することである。
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研究成果の概要 |
糖尿病や加齢、高血圧などの生活習慣病には内皮機能障害が付随し、慢性腎臓病の基盤病態である。一方で末期腎不全に至る共通経路として腎臓の間質に線維化が生じる。内皮機能障害と腎臓の間質線維化にどのような相互作用があるかは不明であった。本研究で内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)の経路が線維化シグナルとして重要であるwnt/β-catenin経路を抑制的に制御していることが判明した。さらにNO産生障害により腎臓の間質に線維化を認めたが、NO経路の下流に存在する可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化薬を投与することで間質線維化を軽減できた。内皮保護は腎臓間質線維化進展を抑制できることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生活習慣病である糖尿病、高血圧には、内皮機能障害が随伴しており、慢性腎臓病進展機序にも一定の役割を担っていることが示唆されている。内皮機能保持と腎保護効果については種々報告されているが、その詳細な分子メカニズムについては十分検討されていない。本研究では、その分子機序を証明するとともに内皮NOS-NO 経路を活性化(sGC活性化薬)することによる治療介入の意義を提示する事ができる。他臓器で臨床的効果も期待されているsGC活性化薬が、腎間質線維化に対する抑制効果を発揮すれば、新規治療法開発の端緒を開き、医療への貢献を果たす可能性があり大いに期待できる。
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