研究課題/領域番号 |
19K17734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
後藤 佐和子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (10832884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | メガリン / レニン-アンジオテンシン系 / アンジオテンシンペプチド / 質量分析法 / レニン・アンジオテンシン系 / LC/MS / 近位尿細管 |
研究開始時の研究の概要 |
レニン-アンジオテンシン系(renin-angiotensin system: RAS)は血圧の調節に重要である。腎臓の近位尿細管に発現するエンドサイトーシスレセプターのメガリンは、RASの中心的役割を担うアンジオテンシン(Ang)ペプチドの基質であるアンジオテンシノーゲンの腎臓内への取り込みに関わるが、メガリンによる腎臓のRASの制御に関しては不明な点が多い。申請者が開発したAngペプチドの新規定量法を用いてメガリンノックアウトマウスやメガリン抑制薬・拮抗薬使用下での生体試料のAngペプチドを定量することでメガリンを介する腎臓のRAS調節のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
腎臓近位尿細管エンドサイトーシス受容体メガリンと腎内レニン-アンジオテンシン(Ang)系(RAS)の関係を解明するため、腎特異的メガリンknockout(KO)とコントロール(Ctl)にアンジオテンシノーゲン(AGT)を投与し、質量分析による生体試料のAngペプチドの新規定量法を用いて腎内RASを評価した。KOではAGT投与による腎内AngⅡの増加、ERK1/2及びNa+/H+交換体3の活性化が抑制されていたが、Ang1-7はCtlと同等で、尿中Na+排泄が保持されていた。KOの腎臓のAng変換酵素(ACE)は低下、ACE2は上昇しており、メガリン調節は腎内RAS活性化を抑制する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンジオテンシン(Ang)ペプチドはこれまで抗体を使用するenzyme-linked immuno sorbent assayやradioimmunoassayで測定されることが一般的であり、抗体の交差反応などが問題となっていたが、質量分析計を用いた生体試料中のAngペプチドの新規定量法においては抗体に関連する問題が解消され、高感度かつ特異的に様々な生体試料のAngペプチドを定量することが可能となった。さらに、本研究の成果からはメガリンのダウンレギュレーションが腎内RASの活性化を抑制することがわかり、メガリンは腎内RASを調整する新たな治療標的となり得ることが示唆された。
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