研究課題/領域番号 |
19K17754
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田中 寿絵 東海大学, 医学部, 助教 (60803327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 副甲状腺機能亢進症 / 慢性腎不全 / 閉経 / エストロゲン / 骨粗鬆症 / 骨代謝 / 慢性腎臓病 / 腎性骨症 / 二次性副甲状腺機能亢進症 / 卵巣摘出 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は骨強度が低下して,骨折のリスクが上昇する疾患で,閉経は代表的な原因である.一方で慢性腎不全は主に二次性副甲状腺機能亢進症を介して腎性骨症と呼ばれる骨病変を引き起こし,骨強度の低下と関連する.しかし閉経後骨粗鬆症が腎性骨症に与える影響は明らかでない. 我々はラットの腎性骨症を誘発し,一方で両側卵巣摘出で閉経モデルを作成し,閉経が腎性骨症による骨代謝や骨強度に与える影響を検討する. また臨床研究として既に採取された複数の維持透析患者血清中の骨代謝に関連するマーカーを測定する.性別と年齢による骨代謝マーカーの違いを比較することで,閉経が腎性骨症に与える影響を検討し,基礎研究の結果を補強する.
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研究成果の概要 |
ラットを用いて二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)モデルと閉経(OVX)モデルを作成し,骨に発現するmRNAを用いて骨代謝と3点曲げ試験による骨強度を検討した.SHPTモデルでは骨形成,骨吸収ともに亢進しており,SHPT+OVXモデルでは骨吸収はさらに亢進し,骨形成はSHPTモデルと比較して低下していた.骨強度はSHPTモデルで低下し,SHPT+OVXモデルでは増強していた.エストロゲン欠乏はSHPTによる骨吸収を相加的に促進し,骨形成を抑制することが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エストロゲン欠乏と二次性副甲状腺機能亢進症を合併したときに,各々,またその組み合わせが骨代謝に与える影響を検討した研究は乏しく,慢性腎不全を有する女性の骨代謝におけるエストロゲンの重要性を示唆した.臨床的に慢性腎不全を伴う女性は男性よりも骨折リスクが高いことが分かっている.慢性腎不全を有する閉経後女性の骨粗鬆症や病的骨折に対する治療として,骨吸収抑制薬だけでは不十分で,エストロゲン補充や骨形成促進薬を用いて骨形成を促す必要性を示唆する研究である.
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