研究課題/領域番号 |
19K17755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
都川 貴代 東海大学, 医学部, 助教 (50631842)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 炎症 / RNA結合タンパク質 / 線維化 / RNA結合タンパク / PBMC / 繊維化 / 炎症制御 / 末梢血単核細胞 / 腎不全 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓病の進行に伴う全身の炎症は種々の組織の繊維化を引き起こし機能不全へ至らせる。この全身性炎症はRNA結合タンパク質により制御されることが知られているが、腎臓病における炎症制御には不明な点が多い。本研究では腎臓病におけるRNA結合タンパク質による炎症性mRNA制御機構を明らかにすることを目的に、腎不全患者の血液や腎生検組織、腎不全モデル動物、培養細胞等を用いて、種々の進行度の腎不全での血液や臓器における組織免疫細胞とmRNA結合タンパク質の発現を調査すると共に、免疫細胞の炎症誘導による遺伝子発現の変化とビタミンD受容体作動薬による影響を明らかにすることで、炎症治療戦略の基礎構築を目指す。
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研究成果の概要 |
慢性腎臓病(CKD)でみられる腎臓の線維化は不可逆的変化であり、線維化を起こした臓器は最終的に機能不全に陥る。単球・マクロファージおよびT細胞に発現 するRegnase-1とRoquinは炎症性mRNAの抑制因子であり、これらの欠損マウスでは心臓や肺、肝臓での線維化をひきおこすことが知られている。 CKD患者でみられる臓器障害において、炎症が関与するメカニズムの詳細は未だ不明な点が多い。本研究では、CKD患者から採集されたPBMCを用いて、CKDにおけるRegnase-1とRoquinなどのRNA結合タンパク質による炎症性mRNA制御とマクロファージ活性化の関連を初めて示し、その機序を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病(CKD)でみられる全身における持続炎症は組織線維化を促進させることから、CKDの進行を阻止するための治療標的となり得る。 CKDにおける炎症は様々な致死的合併症に関連しているが、その特異的な治療方法が確立されていないため不良な予後を来している。本研究はCKDにおける炎症の原因の一端を、腎臓病におけるRNA結合タンパク質の作用メカニズムを詳細に解析することで明らかにしており、TLRを介した自然免疫における炎症調節機構とそれに伴う臓器障害についての理解が進むことが期待される。この研究の成果によって、持続炎症の根本治療における論理的な支柱を形成し治療戦略の基礎が確立されると期待される。
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