研究課題/領域番号 |
19K17764
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
水牧 貴恵 金沢大学, 附属病院, 医員 (30802813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乾癬 / 制御性B細胞 / B細胞 / IL-23 |
研究開始時の研究の概要 |
B細胞は抗体を産生し液性免疫において中心的な役割を果たすだけでなく、抗原提示能や、 サイトカイン産生を介して免疫応答を促進的に制御する。一方で免疫応答を抑制する制御性B細胞の存在が明らかになり、接触皮膚炎モデルや自己免疫性疾患モデルマウスを使用した研究が進んでいる。本研究では、乾癬モデルマウスにおける制御性B細胞の役割、作用機序を解明することで、この分野における新規治療法の発展を目指すものである。
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研究成果の概要 |
B細胞特異的PTEN欠損マウスではrmIL-23投与による乾癬様皮疹が抑制された。制御性B細胞は7日目をピークに増加しており、制御性T細胞は15日目の炎症の後期に向けて緩徐に増加していた。B細胞特異的PTEN欠損マウスの皮膚病変部では、IL-17A陽性CD4陽性T細胞の割合が減少していた。B細胞特異的PTEN欠損マウスで主にIL-10を産生しているB1B細胞を野生型マウスに移入したところ皮膚の炎症所見が抑制された。以上から、脾臓、所属リンパ節で増加した制御性B細胞が、制御性T細胞への分化を促進させ、皮膚病変部でのTh17細胞への分化を抑制することでIL-23誘導性皮膚炎を抑制したと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B細胞特異的PTEN欠損マウスでは、脾臓、所属リンパ節で増加した制御性B細胞が、ナイーブT細胞から制御性T細胞への分化を促進させ、皮膚病変部のTh17細胞への分化を抑制することでIL-23誘導性皮膚炎を抑制していると考えられた。本研究の結果により、B細胞特異的PTEN欠損マウスにおいて制御性B細胞が乾癬に対して抑制的に働く可能性が示唆され、制御性B細胞を標的とした治療が、乾癬の新たな治療戦略になる可能性が示された。
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