研究課題/領域番号 |
19K17771
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 輝恵 大阪大学, 薬学研究科, 特任助教(常勤) (60768670)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 発汗 / 汗腺 / ライブイメージング / ヒト / ヒト汗腺 / カルシウムイメージング / 汗の運搬 / 発汗メカニズム / 動態観察 / イメージング / エクリン汗腺 / 汗の運搬メカニズム / 観察用の確立 / 運搬機構 |
研究開始時の研究の概要 |
温暖化や超高齢化に伴い、汗による放熱ができず、熱中症による死亡リスクが増加している。発汗の機能改善は熱中症を予防するうえで吃緊の課題である。未だ発汗の機序や動態は未解明な点が多い。以前より申請者は汗腺の3次元ライブ観察法を確立し、汗腺の活動状態を詳細に観察することで、分泌部に存在する筋上皮細胞の収縮が汗の運搬に直接関与することを示す予備的な結果を得ている。本研究では、汗の運搬促進を通じて発汗機構の根本的な改善を図ることを目的とし、汗自体を可視化し、発汗収縮時における①汗の運搬動態と、②運搬制御機構の解明を目指す。本研究の成果は多汗症や熱中症といった発汗異常の治療薬・予防法の開発の糸口となる。
|
研究成果の概要 |
発汗はヒト特異的な体温冷却機構である。発汗器官である汗腺の汗運搬機構を明らかにするために、ライブ観察法と汗そのものの可視化法を組み合わせ汗腺内にある汗そのものの可視化法を検討した。1年目は、汗を間接的に可視化することを目的とし、汗腺の管内部にビーズを挿入し、ビーズの動きから汗の動きを検出する間接標識法の確立を試みた。2年目は、挿入ビーズの量、挿入部位等の検討課題を解決するためビーズによる汗の動態観察法の実験を引き続きを行った。3年目はex vivoカルシウムイメージングを行うことでアセチルコリン刺激がどのように汗腺組織を伝播し、筋上皮細胞の収縮が管全体の動きとして引き起こされるのか検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発汗障害は、ストレス社会、空調設備の進歩、高齢化などさまざまな要因から年々増加傾向にある。汗をかきすぎる多汗症や汗をかけない無汗症どちらへの障害もストレスを引き起こす。無汗症はさらに熱中症など命に関わる危険性がある。発汗障害の治療法は汗腺そのものにアプローチしたものがなく、周囲の神経または皮膚表面の汗腺の出口にアプローチしたものがほとんどだった。本研究は汗腺そのものの動きに着目しているため、学術的にも社会的にも革新的なアプローチである。さらに、発汗メカニズムの解明は先述した疾患の治療法や予防策への貢献が期待できる。
|