研究課題/領域番号 |
19K17786
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉原 渚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30772785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | オートファジー / 角化異常 / 円形脱毛症 / ATG7 / CCHCR1 / LC3 / p62 / モデルマウス / LC3 / Beclin1 / Atg7KOマウス / 皮膚 / 毛 / カテプシン / 角化 |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは細胞内小器官などの蛋白処理機構であり、皮膚領域でも顆粒層に発現が強くみられ、角化機序への関与が注目されている。現在までに我々は皮膚移植によりAtg7KOマウス皮膚の長期観察を行い、Atg7欠損下での角化関連因子の減少とその反応を補うオートファジー代償機構の存在の可能性を見出している。 このことからケブネル現象を示す乾癬やバリア機能異常により、易刺激性に皮膚炎を起こすアトピー性皮膚炎への関与が推測される。 今回我々は、Atg7KOマウス皮膚移植片を用いて皮膚炎誘導下でのオートファジー反応系因子の変化を観察し、オートファジー反応系から炎症に対する新しい治療薬の可能性を模索する。
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研究成果の概要 |
脱毛症モデルマウスであるCCHCR1ノックアウトマウスの皮膚に対してオートファジー関連マーカーに対する免疫染色及びWestern Blot 法を施行したところ、SQSTM1(p62)の発現の上昇がみられた。さらにCCHCR1KOマウスの脱毛部位では非病変部と比較し、LC3B-Ⅱ/LC3B-Ⅰ比およびSQSTM1(p62)の有意な上昇がみられた。Beclin1の発現に関しては両者間に差異はみられなかった。以上の結果から、円形脱毛症においてはオートファジー活性が増加しているものの、異常蛋白の蓄積を起こしていた。オートファジー経路の後期段階に障害がある可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円形脱毛症は、見た目に影響を与え、患者の生活の質を大きく落とす疾患である。近年、経口JAK阻害薬の登場により、新たな治療戦略を立てられるようになったが、今だ明確な病態解明はされておらず、既存の治療方法による疾患治癒率は低く、しばしば再発する。今回、オートファジーと円形脱毛症との関連を示唆する結果を得られたことは、円形脱毛症の病態解析・新たな治療法確立に寄与するものと考える。
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