研究課題/領域番号 |
19K17797
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
鳥山 真奈美 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30773121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 一次繊毛 / アトピー性皮膚炎 / 炎症 / ランゲルハンス細胞 / ケラチノサイト / シグナル伝達 / 皮膚疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒト初代樹状細胞(DC)における「一次繊毛」の生理機能を理解し、アトピー性皮膚炎の発症機序を解明することを目指す。 一次繊毛は細胞外シグナルを受容する細胞小器官である。申請者は先行研究にて健常ヒト由来初代DCが一次繊毛を有し、アトピー性皮膚炎(AD)病変部においては一次繊毛をもつ増殖DCが顕著に増加していることを発見した。一次繊毛がDCの増殖を促進し成熟制御に関わる可能性が示唆されたが、その分子メカニズムや未成熟DCによる疾患発症機序は不明である。本研究では、①一次繊毛が伝達する増殖シグナルと②未成熟DCによるケモカイン産生量を解析し、AD発症メカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞外環境を検知する細胞小器官である一次繊毛が、皮膚の恒常性維持にどのように寄与するか解明することを目的とした。研究代表者は、一次繊毛がアトピー性皮膚炎患者由来表皮で顕著に増加していることを見出した。一次繊毛の過形成は、表皮細胞の成熟を抑制し、皮膚バリアの破綻やケモカイン産生を誘導することで、疾患の発症に関わる可能性が示唆された。本研究成果は1件の国際雑誌に発表した。また、もう1件、国際雑誌に発表中であり、リバイス提出中である。さらに、総説を国際雑誌に発表した。国内学会でもシンポジストとして口頭発表を行った。前述とは別の国内学会において、若手優秀発表賞を受賞した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎の治療は、ステロイド薬等を用いた対症療法のみが存在する。その治療法は有効ではあるものの、発症原因が不確定であるため、再発を繰り返すことが多い。本研究では、アトピー性皮膚炎の発症に一次繊毛が関わる可能性を見出した。一次繊毛の研究歴史は浅く、一次繊毛をターゲットとした創薬はいまだ実現していないため、本研究は新たな作用機序を示す新規薬を開発するための礎となりうる研究である。
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