研究課題/領域番号 |
19K17805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
林 健太郎 琉球大学, 病院, 助教 (50631991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ハンセン病 / らい菌 / 多菌型ハンセン病 / 少菌型ハンセン病 / トランスクリプトーム解析 / 皮膚 / 部位特異性 / 掌蹠 / 角化 / 遺伝子発現 / 角層 / 自然免疫 / トランスクリプトーム / らい反応 / 主成分分析 |
研究開始時の研究の概要 |
ハンセン病はらい菌による抗酸菌感染症であり、感染した宿主により多菌型、少菌型、境界型と異なる臨床像を呈する。また、治療過程では、ハンセン病特有のらい反応という副反応が生じる。なぜ同一の起因菌が3つの異なる病型を呈するのか、らい反応が生じるか、その病態は未だ解明されていない。 各病型と2種類のらい反応発生時の病理検体について、パラフィン組織由来のトランスクリプトーム解析を行い、発現データに複数の統計解析を加え、ハンセン病の病態に関与する遺伝子発現を明らかにする。
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研究成果の概要 |
琉球大学病院皮膚科でハンセン病と診断した63症例より、トランスクリプトームデータ抽出を試みた。うち7検体(ハンセン病多菌型4検体、少菌型3検体)から抽出できた。Mycobacterium lepraeのmapped read countは、多菌型群の4検体は平均2396.5、少菌型の3検体は平均8.7であった。この結果は、病型分類が正しいことを裏付けている。これら多菌型と少菌型について、遺伝子発現の群間比較解析を行った。その結果、2群間に発現に差異のあった遺伝子は約166個(p<0.01, 多菌型群に高く発現:117遺伝子, 少菌型群に高く発現: 49遺伝子)あり、候補遺伝子として抽出できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の解析により得られた候補遺伝子により、これまで説明できなかった、宿主により多菌型、少菌型と極めて異なる臨床像を呈するハンセン病の特殊性を解明する糸口になると期待できる。ハンセン病の発症機序の解明は、皮膚結核やブルリ潰瘍などの抗酸菌感染症と、それらに対する生体の反応を理解するきっかけになると考えられる。現在は、ハンセン病の新規発症は日本では年間数例程度であるが、世界では年間20万人の新規発症があり、ほとんどが途上国、貧困層を中心に流行している。顧みられない熱帯病の一つとして位置付けられ、WHOを中心に診断、治療、啓蒙活動が行われている。かつてハンセン病が多発した沖縄で行うべき研究課題である。
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