研究課題/領域番号 |
19K17811
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
西村 友紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90812420)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬剤性過敏症症候群 / DIHS / ヒトヘルペスウイルス / HHV-6 / 再活性化 / 持続感染 / 自己免疫疾患 / 薬疹 / ヒトヘルペスウイルス6 / 合併症 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、抗けいれん薬など比較的限られた薬剤投与開始から3週間以上たって遅発性に発症し、発熱、多臓器障害を伴う重症薬疹の1つである。発症2~3週間後にヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の再活性化を生じる。われわれはDIHS軽快後も、血液からHHV-6 DNAが長期に検出される症例が少なからず存在し、持続感染例では急性期の皮膚症状が重症であることを見出した。本研究は、HHV-6持続感染と臨床症状や血液検査所見、サイトカインやケモカインの発現、合併症との関連を検討する。さらにHHV-6持続感染のメカニズムを明らかにし、予後予測やその治療に重要な知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
薬剤性過敏症症候群(DIHS)の病態へのヒトヘルペスウイルス(HHV)-6の関与が示唆されているが未だ不明な点が多い。本研究では、DIHS軽快後にHHV-6の持続感染を生じた症例の特徴を明らかにするため、臨床的、免疫学的解析を行った。持続感染例では①急性期の皮膚粘膜症状が重症、②HHV-6およびCMV DNA量が高値、③急性期のIL-4、IL-5、急性期および慢性期の可溶性IL-2受容体が高値、④間質性腎炎、甲状腺炎などの慢性の自己免疫性疾患の合併率が高いという特徴が判明した。これらより、HHV-6持続感染はDIHS急性期の重症度および慢性自己免疫性疾患の発症と関連することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、DIHSが軽快した後もHHV-6の感染が持続している症例が少なからず存在すること、HHV-6持続感染はDIHSの重症度および慢性期の自己免疫性疾患の合併と関連していることが明らかになった。また、HHV-6持続感染例ではDIHS急性期に単球/マクロファージ分画が低下していたことより、持続感染例では抗ウイルス免疫における自然免疫応答が不十分であり、このことによりHHV-6の持続感染を生じる可能性が示唆された。
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