研究課題/領域番号 |
19K17812
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
角田 加奈子 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10611030)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HDAC6 / 乳房外Paget病 / COX2 / 浸潤 / 転移 / PGE2 / 乳房外ペジェット病 / COX / CAF |
研究開始時の研究の概要 |
乳房外Paget病は、外陰部に好発する皮膚悪性腫瘍である。腫瘍細胞の大部分は表皮内に留まり、浸潤・転移例は少ないものの、一旦浸潤・転移の生じた進行期症例には、局所切除に加え、抗がん薬を併用した薬物療法や、放射線療法が試みられている。しかし、多くは治療抵抗性であり予後不良な症例が多い。 本研究では、進行期乳房外Paget病に対する効果的な薬物療法開発のために、HDAC6-COX2関連分子の動態を解析し、Paget細胞の浸潤・転移機構に関する役割を明らかにする。さらに、HDAC6およびCOX2阻害薬が、浸潤・転移の抑制効果を有するかxenograftモデルを用いた基礎実験を行う。
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研究成果の概要 |
乳房外Paget病でHDAC6-COX2関連分子を解析し、浸潤・転移に関する役割を共培養系/免疫染色を用いて解析した。培養系の検討は、腫瘍と周囲の癌関連線維芽細胞(CAF)で形成される微小環境において、HDAC6-COX2が重要な役割を担っている可能性が示唆された。免疫染色では、HDAC6が腫瘍先進部で過剰発現し周囲にαSMA陽性のCAFと見られる線維芽細胞が集積していた。HDAC6陽性の細胞は集塊を形成しcollective cell invasionの動態を示していた。PGEの分泌はHDAC6の過剰発現に関与し、浸潤・転移能の獲得に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行期の乳房外Paget病に対して有効な化学療法は無く、新たな治療薬の開発が切望されている。炎症性の症状を思わせる、乳房外Paget病の患者は、比較的多く、自分の研究テーマであるHDAC6とCOX2が極めて近い位置関係で作用している事が明らかになった。既にCOX2阻害薬は臨床応用されちぇおり、HDAC6阻害薬も臨床試験に入っている。本研究の基礎データは、今後の乳房外Paget病の治療に対して重要な意義を持つと思われる。
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