研究課題/領域番号 |
19K17817
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
外山 扇雅 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (50805893)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 好酸球 / 感覚神経 / アトピー性皮膚炎 / 痒み / 難治性痒み / 神経線維 / 免疫細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)は強い痒みのある湿疹を主病変とする慢性炎症性皮膚疾患である。その痒みは難治性痒みと言われ、患者のQOLを著しく低下させる。AD炎症局所において、感覚神経線維が増生していることが難治性痒みの一因と言われている。一方、AD炎症局所には免疫細胞が浸潤していることから、神経線維と接触することで相互に作用し、痒み過敏を増強することが考えられるが、その詳細は不明瞭である。本研究では、免疫細胞、特に好酸球及びその分化・活性化を制御するILC2に着眼し、免疫細胞と感覚神経線維の接触による相互作用の観点から、ADにおける痒み発現発症メカニズムの解明と、新規治療法及び予防法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、感覚神経細胞と好酸球の共培養系を立ち上げた。感覚神経細胞と好酸球を共培養して経時的に観察した結果、感覚神経が有意に退縮しており、好酸球は有意に細胞死が誘導されていた。また、活性化好酸球ではケモカイン及び接着因子の発現増加が認められた。Migration assayでは感覚神経細胞により好酸球の走化性が減弱した。 以上の結果から、好酸球は感覚神経に向かって遊走するが感覚神経由来成分により走化性が減弱し、その場で感覚神経に接着した後に細胞死を起こし、神経線維を傷害したことにより、神経線維が退縮したと示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで感覚神経と好酸球がAD炎症局所にそれぞれ存在していることは報告されていた。しかしながらこれらが近接している報告はなく、本研究結果により、両者が近接していることを確認した点で新規性及び独自性が高い。また共培養系の結果から、感覚神経線維に接着した好酸球は、その場で細胞死を起こし、神経線維を傷害することで感覚神経線維を退縮させると示唆された。 本研究成果は、好酸球と感覚神経線維の相互作用を標的としたADの新規治療法に向け、将来的に本研究成果は社会貢献に繋がる発展性の高い研究といえる。
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