研究課題/領域番号 |
19K17830
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
淺田 騰 岡山大学, 大学病院, 助教 (70803055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 自然リンパ球 / 造血幹細胞 / 造血幹細胞ニッチ / ニッチ |
研究開始時の研究の概要 |
全ての血液細胞の元である造血幹細胞は、我々の骨の中にある骨髄で、一生に渡り血液細胞を作り続けます。この造血幹細胞の活動には特別な環境が必要であることがわかっており、これをニッチと呼びます。造血幹細胞を理解するためにはこのニッチを詳しく知ることが必須です。これまでの研究で様々な細胞がニッチを調節していることがわかっています。本研究では、新しく発見されたリンパ球であり、アレルギーや腫瘍などの病態に関わることがわかってきている自然リンパ球に着目し、自然リンパ球の造血における役割を明らかにします。
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研究成果の概要 |
自然リンパ球(以下ILC)は、各臓器において少数ながら、様々なサイトカイン等を駆使して臓器機能を制御している。本研究では、ILCの発生、分化の場所である骨髄でのILCを解析し、免疫や造血におけるILCの機能を検討した。骨髄中には、各種ILCのうち、ILC-2の前駆細胞であるILC-2Pが多く存在し、これらの細胞は放射線照射後にも残存し、造血幹細胞(すべての造血細胞の源となる細胞)の回復に先立って、一時的に増加することを見出した。これらの結果から、骨髄中のILC-2Pは、様々な造血ストレス(抗癌剤や放射線など)からの血液の回復期を何らかの機構で促進する作用を持つことが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ILCと血液疾患との関わりといった視点で見ると、ILCは骨髄移植後の腸管を標的とした移植片対宿主病を和らげる作用を持つことや、血液悪性腫瘍である、急性骨髄性白血病や形質細胞性腫瘍の患者では、血液中あるいは骨髄中ILCに変化をみとめ、ILCが治療対象となる可能性が報告されている。しかしながら、ILCの造血制御全体における働き、とりわけ造血幹細胞やその機能を支える骨髄中の細胞との関連は明らかにされておらず、本研究結果は、自然免疫システムによる新たな造血幹細胞制御機構の解明や治療法の開発につながる可能性がある。
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