研究課題/領域番号 |
19K17834
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
上運天 綾子 宮崎大学, 医学部, 助教 (30800750)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MPN / ET / myelofibrosis / CALR / EZH2 / TET2 / primary myelofibrosis / EZH / 骨髄増殖性腫瘍 / エピゲノム異常 / CALR変異 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms: MPN) に分類される本態性血小板血症(essential thrombocythemia; ET)、原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis; PMF)の症例で共通してみられるCalreticulin(CALR)変異やJAK2変異と、EZH2やTET2などのエピゲノム異常を併せ持つマウスモデルを作成する。表現型の違いや白血病への移行の頻度を解析し、MPNにおけるエピゲノム異常の役割やAMLへの急性転化の際の分子病態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
CALR変異マウス、CALR変異/EZH2欠損マウスを作成し、解析を行った。いずれもETを発症したが、骨髄線維症や白血病は発症せず、生命予後は野生型と同等だった。次にCALR変異、CALR変異/EZH2欠損LSKを用いた競合移植を行ったところ、ETの発症は認めなかったが、キメリズム解析では野生型と比べキメリズムが上昇しており、CALR変異造血幹細胞の増殖能が高いことが示された。CALR変異/EZH2欠損LSK移植マウスとCALR変異LSK移植マウスではキメリズムの差は認められなかった。CALR変異に対してEZH2欠損が生じてもMFへの進展や幹細胞の分化能には影響を与えないことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、骨髄増殖性腫瘍ではドライバー遺伝子の種類によってエピゲノム異常の与える影響が異なる事が明らかとなった。この結果により、CALR変異をもつ骨髄増殖性腫瘍の発症や急性転化に寄与するエピゲノム異常を同定し、新規治療薬の開発につながる事が期待できる。また、骨髄増殖性腫瘍患者のドライバー遺伝子やエピゲノム遺伝子変異の種類により予後の層別化を行い、新たな治療戦略の開発につながる事が期待される。
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