研究課題/領域番号 |
19K17836
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石黒 一也 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90784439)
|
研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 多発性骨髄腫 / DOT1L / ヒストンメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫は予後不良な疾患であり、新規治療薬の探索が必要である。ヒストンメチル化修飾の異常は様々ながんの発生や進展に関与するが、多発性骨髄腫における知見は十分ではない。応募者はヒストンメチル化酵素であるDOT1Lの阻害が、多発性骨髄腫のキーシグナルであるIRF4-MYCシグナルを抑制することで骨髄腫細胞の増殖を抑制することを明らかにした。本研究はDOT1L阻害剤の作用機序をさらに解明し、臨床応用につなげることを目指す。
|
研究成果の概要 |
多発性骨髄腫(MM)の病態には、ヒストン修飾が重要な役割を担っている。本研究では、DOT1L阻害による抗MM効果をさらに検証した。CRISPR研究より、MMの生存はDOT1Lに強く依存していることが示された。トランスクリプトーム解析により、DOT1Lの阻害がMM細胞の免疫反応を活性化することが明らかになった。DOT1Lの阻害はMM細胞において内因性レトロウイルス(ERV)遺伝子の発現を増加させた。一方、EZH2/G9aの共阻害もまた、ERV遺伝子の発現を増加させ、免疫反応を上昇させた。そしてEZH2阻害剤とG9a阻害剤の併用は、細胞周期停止とアポトーシスを誘導し、MM細胞の増殖を強く抑制した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DOT1Lは唯一のH3K79メチル化酵素であり、転写活性化に関与することが知られている。DOT1L阻害剤の一つであるEPZ-5676は、MLL関連白血病の第I相試験において一定の奏効率と安全性を示した。一方、多発性骨髄腫(MM)におけるDOT1L阻害剤の効果を明らかにしたのは、我々の研究が世界初である。本研究は今後のMMにおけるDOT1L阻害剤による臨床試験など、MMの新たな治療戦略の開発に寄与するものと考える。
|