研究課題/領域番号 |
19K17837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
古川 未希 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80722537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) / 急性肺傷害 (ALI) / Gas6 / Mer / 敗血症 / ARDS / 血管内細胞 / ADDS |
研究開始時の研究の概要 |
TAM受容体(Tyro3, Axl, Mer)は自己免疫疾患や悪性腫瘍の病態に関与する。リガンドはGas6及びプロテインSである。抗癌剤による骨髄抑制、造血幹細胞移植で発症する敗血症に続発するARDSは、高サイトカイン血症による肺胞・毛細血管関門に生じる炎症傷害により血管透過性亢進型の肺水腫を呈し呼吸不全に至る。ARDSの病態には、サイトカインによる内皮細胞障害や血小板血栓、凝固異常がARDSの病態に寄与する。我々は選択的TAM阻害剤がARDSマウスのBALの好中球及び単球を著明に減少させ、重症肺障害を改善させることを示した。本研究はARDSの新たな治療薬候補、バイオマーカーの発見を目的とする
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研究成果の概要 |
Gas6は、TAMファミリー受容体型チロシンキナーゼであるTyro3、AxlおよびMerとの相互作用を介し、止血に顕著な影響を及ぼし、炎症を軽減する。我々は重症敗血症または敗血症性ALI/ARDSの患者において、Gas6と可溶性Merの血漿中濃度が有意に高値であることを見出した。LPS誘発急性肺障害マウスにおいて、Mer阻害剤であるUNC2250の静脈内投与は、Gas6およびMerタンパク量増加を伴う好中球と単球の肺への浸潤、高度肺障害、活性酸素種(ROS)量の増加を顕著に抑制した。ALI/ARDSにおける炎症反応の治療薬として、Mer阻害剤は有用である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液腫瘍の化学療法や造血幹細胞移植は、造血障害と免疫不全を伴い、重症感染症に対して極めて脆弱である、重症感染症に続発するALI/ARDSは生命予後を左右する。しかし、未だ治療法が確立されていない。これまで、Gas6とその受容体Merが、多発性骨髄腫の進行 (J Biol Chem. 2017;292:4280) や、造血幹細胞移植における急性GVHD及びTMA (Blood Adv. 2009;3:2128) に関与していることを報告した。本研究では、ALI/ARDSにおけるGas6-Mer経路に着目した解析を行い、ALI/ARDSの治療薬として、Mer阻害剤が有用であることを明らかにした。
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