研究課題/領域番号 |
19K17840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
山口 航 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (70611713)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 鉄代謝 / 赤脾髄マクロファージ / セマフォリン / 免疫不全 / 単球 / 分化制御 / マクロファージ / クリアランス |
研究開始時の研究の概要 |
自然免疫細胞に属する単球やマクロファージは病原体ならびに生体内で不要となった細胞を貪食分解するクリアランス機能を有している。単球にはいくつかのサブセットが存在し、サブセットの分化メカニズムを明らかにすることは、抗炎症性単球を増加させることによる炎症性疾患の予防や治療に繋がることが期待される。 また、生体内における死細胞の貪食作用の破綻は自己免疫疾患などに関与することが示唆されており、クリアランス障害による疾患発症機序の1つを明らかにして予防と治療に繋げたいと考えている。
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研究成果の概要 |
免疫不全マウスの多くで脾臓組織に鉄が蓄積すると報告されている。免疫不全を呈するSema4D欠失マウスを用いて観察したところ、同様に脾臓への鉄蓄積を認めた。本研究ではその原因を明らかにすることを目的とした。鉄は赤血球に由来し、老廃した赤血球が脾臓の赤脾髄マクロファージにより貪食されて貯蔵される。我々はSema4D欠失マウスにおいて、赤脾髄マクロファージの貪食能が亢進していること、その細胞数が増加していることを明らかにした。以上のことから、赤脾髄マクロファージの増加により脾臓組織への鉄蓄積が増加したと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫不全は重篤な感染症を繰り返し引き起こし、また鉄の代謝異常は貧血や鉄過剰症に繋がることがあり、その関連について研究することは非常に重要である。これまでは感染症に伴うヘプシジンホルモンの影響により鉄が蓄積すると考えられていた。しかし本研究では免疫不全を呈するマウスにおいて、赤脾髄マクロファージの増加を認め、その鉄代謝バランスの異常により脾臓に鉄が蓄積することを明らかにし、新たな鉄蓄積のメカニズムを報告した。
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