研究課題/領域番号 |
19K17842
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
脇田 知志 日本医科大学, 医学部, 講師 (70465350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNA修復機構 / RAD51 / 急性骨髄性白血病 / DNMT3A変異 / DNA修復 / BO2 / Olaparib |
研究開始時の研究の概要 |
(1)AML細胞株におけるγ-H2AXおよびRAD51のタンパク発現ならびにその局在の解析。 (2)siRNAを用いたRAD51の発現抑制、ならびにRAD51阻害薬B02を用いたRAD51阻害 (3)HDAC阻害剤Vorinostatを用いたRad51の抑制 (4)Rad51阻害薬とPARP阻害薬 Olaparibの併用効果の検討 (5)AML臨床検体にRAD51発現解析およびその予後との関連性の検討 (6)AML臨床検体を用いたHR修復機構を標的とした治療の有用性の検討(Colony forming cell assay)
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研究成果の概要 |
急性骨髄性白血病(AML)細胞株を対象としてDNA損傷の有無を解析した。すると複数の細胞でγH2AXの恒常的な発現が確認された。このγH2AX発現細胞株に対してRAD51阻害薬BO2を投与すると、DNMT3A変異陰性株では速やかに細胞死が誘導されたが、DNMT3A変異陽性株では細胞死が誘導されなかった。この耐性にはG2/M期での細胞周期停止が関与していた。次に、我々は日本人de novo AML 605人を対象としてDNMT3A変異の臨床的意義を解析した。DNMT3A遺伝子のR882部位の変異はAMLの強力な予後不良因子として抽出された。(Cancer Sci.114(4):1297)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では急性骨髄性白血病細胞株において恒常的にγH2AXが発現しており、持続的にDNA損傷が生じていることを示した。さらにDNA二重鎖修復に働くRAD51阻害を行うことで複数の細胞株に細胞死が誘導されることを明らかにした。この事実は、急性骨髄性白血病治療においてDNA修復機構が効果的な治療標的となりうることを示している。 さらに、本研究ではRAD51阻害下でDNMT3A変異陽性細胞株においてG2/M期の停止とそれに伴う細胞死の回避が観察されることが明らかになった。これは予後不良因子であるDNMT3A変異の薬剤耐性機序となっている可能性が高い。今後の新規標的治療の開発に繋がる成果と考える。
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