研究課題/領域番号 |
19K17844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
月本 翔太 近畿大学, 大学病院, 助教 (40790762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | APOBEC3 / 胚中心B細胞 / FLAGノックインマウス / 造血幹細胞 / 骨髄球系前駆細胞 / リンパ球系前駆細胞 / 胸腺 / 骨髄 / シチジンデアミナーゼ / ウイルス感染抵抗因子 / レトロウイルス / フレンドウイルス / リンパ組織 / 腸管上皮 / 抗FLAG抗体 / 脾臓 / 免疫組織化学染色 / APOBEC / シチヂンデアミナーゼ / リンパ腫 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
一本鎖DNAを標的とするシチヂンデアミナーゼAPOBEC3は、シチヂンを脱アミノ化反応によりウリヂンへと変換し、レトロウイルス複製制限因子として機能する。これまでAPOBEC3遺伝子ノックアウトマウスに対して、マウス乳癌ウイルスやマウス白血病ウイルスに感染させるとウイルス複製促進、高病原性を示すことが知られているが、発がんそのものに及ぼす影響は不明である。またAPOBEC3とRNA/DNA編集酵素群の仲間であるAIDをともにノックアウトしたマウスにおいて、自然発症するリンパ腫を発見した。 今回、各種マウスを用いた発がんに関する影響、各遺伝子の機能解析、新たな疾患モデルの樹立等を行う。
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研究成果の概要 |
APOBEC3はT細胞に発現は大変少なく、胚中心B細胞に強発現していること、そしてAPOBEC3は核以外の部分に存在していることをフローサイトメトリーおよび免疫組織学的染色で示すことができた。また造血幹細胞からの分化段階において、細胞障害性T細胞とヘルパーT細胞の分化でAPOBEC3タンパク質の発現に差があること、胸腺内のリンパ球前駆細胞の比較的早い段階でAPOBEC3タンパク質の発現が見られることが胸腺で見ることができた。また骨髄のような造血幹細胞から分化を始めた初期の段階ではAPOBEC3の発現は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
APOBEC3をノックアウトしたマウスにおいて、Bリンパ腫が自然発症する現象が認められたことが本研究のスタートであった。この研究成果は、APOBEC3の動きを生理学的・組織学的に可視化できるマウスが出来上がったことが大きな成果である。 今後は、このマウスを使ってAPOBEC3とレトロウイルス感染の関連、そしてAPOBEC3ノックアウトマウスでのBリンパ腫発症の機序を説明することができるツールの一つとなる可能性がある。
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