研究課題/領域番号 |
19K17845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
土橋 映仁 公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (40772249)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / マルチ遺伝子パネル検査 / 医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患 / メトトレキサート / 自然退縮 / メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 / 関節リウマチ |
研究開始時の研究の概要 |
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 (MTX-LPD) は、関節リウマチの治療薬として用いられているメトトレキサート (MTX) 投与中の患者に発生するリンパ増殖性疾患である。病理組織像、遺伝的背景は、リンパ腫組織型と同じであるが、MTXの中止のみで約30%の症例が寛解するという特徴的な経過を示す。本研究では、なぜ、MTXの中止のみでMTX-LPDが消失するのか、化学療法が必要である例との違いは何かを解明する。
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研究成果の概要 |
医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患(IIALPD)の組織学的所見は、反応性リンパ節炎からリンパ腫まで様々である。約60%の症例で免疫抑制剤の減量・中止により自然退縮する。本研究では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の組織型であった54症例を対象に、自然退縮例と化学療法必要例を比較し、包括的な遺伝子解析を行った。解析の結果、DLBCLに特徴的な遺伝子変化が認められ、自然退縮例ではSGK1、TET2のバリアントがみられ、主要な体細胞バリアントはみられなかった。このことから、IIALPDにおいて、診断時のマルチ遺伝子パネル検査が、早期の治療介入や関連薬剤の中止の決定に重要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患(IIALPD)において、自然退縮例と化学療法必要例の遺伝子変化の違いを明らかにした。化学療法必要例では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に特徴的な遺伝子変化が認められ、自然退縮例では主要な体細胞バリアントが欠如していた。この発見は、IIALPDの診断時にマルチ遺伝子パネル検査を行うことで、早期の治療介入や関連薬剤の中止の判断に役立つことを示唆している。
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