研究課題/領域番号 |
19K17864
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
國本 博義 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80464923)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TET2 / GM-CSF / クローン性造血 / 慢性骨髄単球性白血病 / Tet2 / 造血幹細胞 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病や前白血病状態のクローン造血に機能喪失型のTET2変異が高頻度に検出されている。申請者らはこれまでにTET2の機能喪失がクローン造血を引き起こすことを明らかにした。最近、TET2変異を有する血液細胞が炎症性サイトカインであるIL-1βの産生を介して様々な炎症を惹起することが明らかになってきた。 そこで本研究では、TET2の機能喪失がIL-1βを介してクローン造血の拡大をもたらすメカニズムを明らかにし、そのメカニズムの阻害がクローン造血発生を抑制しうるかを検討する。本研究の成果は、TET2変異陽性クローン造血の発生機序の解明と、新たな白血病発症予防法の開発につながると期待される。
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研究成果の概要 |
In vitro培養系の検討から、賦形剤添加群に比べてIL-1β添加群でTet2欠失細胞の継代培養能の増強はみられず、IL-1βはTet2欠失造血幹細胞の自己複製能を増強しないことが判明した。一方Tet2欠失細胞は野生型に比べてGM-CSF刺激を加えても単球系細胞への分化やアポトーシスが誘導されにくいことが示唆され、TET2変異陽性細胞はGM-CSF刺激に対する抵抗性を示して未分化性を維持することで結果的に骨髄単球系前駆細胞段階での分化停止、不死化を招き、白血病発症に寄与するのではないかと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TET2変異陽性クローン性造血及び慢性骨髄単球性白血病の拡大・進展過程における骨髄単球系サイトカインGM-CSFの役割が明らかにされた。今後野生型及びTet2欠失細胞におけるGM-CSFシグナルの変化やその分子基盤に着目することで、TET2変異陽性クローン性造血や血液腫瘍発生過程におけるGM-CSFシグナルの重要性や治療標的としての可能性も明らかになると期待され、臨床医学的意義は大きいと考える。
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