研究課題/領域番号 |
19K17866
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
木下 史緒理 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70832062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ARK5 / 多発性骨髄腫 / E-cadherin / multiple myeloma / 薬剤耐性 / 髄外病変 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良な多発性骨髄腫では、早期の多剤治療への耐性獲得および髄外病変の進展がみられる。ARK5は予後不良染色体異常(t(14;16)転座およびt(14;20)転座等)で発現するlarge MAF familyによって恒常的に発現している。ARK5は上皮系腫瘍では上皮間葉転換(EMT)による転移の促進に関与すると報告されており、多発性骨髄腫においても悪性能獲得に関与している可能性がある。本研究では、①骨髄腫細胞の分子標的薬への耐性獲得 ②髄外病変の進展の促進 の2点におけるARK5の関与を解明し、ARK5活性化による悪性度の高い骨髄腫細胞に対する有効な治療法の探索を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、骨髄腫細胞の悪性能獲得のメカニズムとして、①骨髄腫細胞の分子標的薬への耐性獲得 ②髄外病変の進展の促進 の2点におけるARK5の関与を解明し、ARK5活性化による悪性度の高い骨髄腫細胞に対する有効な治療法の探索を目的として行った。①分子標的薬への耐性獲得については、免疫調節薬レナリドミドの耐性獲得に関連している可能性が示唆された。②髄外病変の進展については、低酸素下において、ARK5の発現は増強することが、多発性骨髄腫の髄外進展に関わる可能性を認めた。ARK5阻害薬の作用機序の検討においては、mTOR経路、カスパーゼなどのパスウェイの変化を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫においても、低酸素下低栄養下におけるARK5の発現増強を認めたこと、ARK5とEMTの関連において、E-cadherinとARK5により、OSが層別化されること、は学術的意義のある知見であった。今後、多発性骨髄腫におけるEMTとARK5の関連の研究をすすめることで、多発性骨髄腫の髄外進展の機序の解明につながると考える。また、ARK5阻害薬の治療応用については、まだ道のりは長いが、患者由来の骨髄腫細胞においても腫瘍増殖抑制効果がみられており、さらに研究をすすめる予定である。
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