研究課題/領域番号 |
19K17874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉村 英晃 関西医科大学, 医学部, 助教 (70646976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / レナリドミド / L-PAM / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)は治癒が困難な疾患であり、唯一長期的な生存が見込める治療法である造血幹細胞移植という治療においては移植片対宿主病(GvHD)という副作用の制御が重要になってくる。GvHDの制御には免疫細胞が深くかかわっており、ATLLの治療に用いられるレナリドミドも免疫細胞への影響が報告されているが、造血幹細胞移植におけるレナリドミドの免疫細胞へ作用は解明できていない部分が多い。そこで本研究ではマウスモデルを用いてGvHD発症と関連深い免疫細胞である制御性T細胞を中心に、レナリドミドが免疫細胞へ及ぼす影響の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
急性GvHDマウスモデルを用いてレナリドミドのGvHDに及ぼす影響を検討した。 当初の予測ではレナリドミドはGvHDを悪化すると予測していたが、生存はレナリドミド投与にて有意に生存率が向上した。組織に関しても腸管・肝臓に浸潤を認めておりGvHDが生存に寄与していることが判明した。脾細胞中のT細胞の増殖や分画、特に制御性T細胞においても有意な差は認めなかった。T細胞の遊走に係わるL-PAM1(α4β7インテグリン)の発現がFoxp3-CD4+ T細胞で低下しており、それらの腸管への遊走が低下していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血幹細胞移植は近年増加傾向である。また造血幹細胞移植後に維持療法を行うことで予後の向上を認める報告も多い。レナリドミドもまた多発性骨髄腫だけでなく悪性リンパ腫等へ適応の拡大を認めている。造血幹細胞移植前後にレナリドミドを使用する機会は増加すると予測されるが同種免疫へのレナリドミドの影響は判明しておらず、重要な合併症であるGvHDへの影響は不明確であった。 本研究においてはマウスモデルにおいてレナリドミドはGvHDを軽減することが判明し、新たな治療ターゲットの候補となりうることが示唆された。造血幹細胞の成績、ひいては血液疾患患者の予後・QOLの向上につながる可能性がある。
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