研究課題/領域番号 |
19K17876
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
宮井 優里奈 (宮島優里奈) 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員 (70838218)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 骨髄増殖性腫瘍 / DNA脱メチル化 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄増殖性腫瘍 (myeloproliferative neoplasms:MPN) は、骨髄系細胞の遺伝子異常によって顆粒球を始めとする骨髄系細胞の腫瘍性増殖を認める疾患である。細胞内シグナル蛋白であるJAK2遺伝子の変異が主要因と考えられる一方で、TET2、DNMT3、ASXL1などエピジェネティックに遺伝子を制御する因子の関与も報告されている。本研究では、DNA脱メチル化を誘導する因子として知られるTET2によって制御される因子がMPN病態に関わる可能性を検討することで、エピジェネティック因子および下流因子の制御によるさらに効果的な治療戦略の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、骨髄増殖性腫瘍(MPN)発症に至るまでの骨髄中前駆細胞群の遺伝子発現変化および発症後の細胞動態解析を中心に解析を行った。MPNの病態を示す骨髄系細胞の異常増殖を認めるTet2欠損マウスを用い、骨髄中の各前駆細胞を単離しトランスクリプトーム解析を行った。その結果、当該マウスにおいてこれまでに報告のない特徴的な細胞表面マーカーパターンを有する前駆細胞集団が骨髄中に増加していることが明らかとなった。さらに、この前駆細胞集団は、野生型マウス由来の同細胞集団と比べて分化能および増殖能が高いことや加齢性に著しく増加することを見出し、MPN病態の形成を担う重要な細胞である可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、新たに見出した前駆細胞集団がMPNの発症に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。MPN発症には、造血系前駆細胞における遺伝子の変異が重要であると考えられているが、発症に至るメカニズムは不明な点が多い。本研究では、その分子メカニズムの一端として骨髄系細胞への分化能が高い細胞集団を見出すことができた。今後、本細胞群の性質および病態への寄与を詳細に解析することで、MPNの治療に有用な新たな治療戦略の創出が期待できる。
|