研究課題/領域番号 |
19K17882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
駒井 俊彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50803938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アミノ酸センサー / アルギニン / 液性免疫 / 全身性エリテマトーデス / mTOR / 免疫代謝 / サイトカインシナジー / TGF-beta |
研究開始時の研究の概要 |
免疫寛容の破綻を背景とする膠原病疾患は主として免疫抑制薬により治療を行うが、既存の免疫抑制薬の効果は限局的であることが少なくなく、感染症を代表に有害事象による死亡率が高いことから、分子・細胞特異的な新規治療標的の探索が膠原病の診療では急務である。申請者らは免疫抑制を担うサイトカインであるTGF-βとIL-10は細胞代謝の抑制を介して協調的に液性免疫を制御する知見を報告し、サイトカインシナジーにより誘導されるGATSL3に着目した。本研究を通じて、アルギニンの生体内センサーGATSL3の免疫学的役割を解明することで、細胞代謝制御による自己免疫疾患の創薬という新しい治療基盤となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患では、mTOR、免疫担当細胞の免疫代謝の亢進が病態形成に関わることが知られ、mTOR阻害薬の臨床試験も試みられている。本課題ではアミノ酸の1つであるアルギニンは液性免疫応答に寄与することに加え、アルギニンの生体内センサーのCastor1の欠損により外来抗原への応答性へ変化を生じ、全身性自己免疫疾患を呈することを初めて見出した。また、Castor1の欠損によりT細胞、B細胞の免疫学的活性に変化が生じ、オートファジーの変化を伴っていた。アルギニンセンサーと自己免疫疾患との関連性の同定は新規創薬の礎となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リウマチ・膠原病疾患はステロイドや広範な免疫を抑制する治療が主体であるが、病気の進行制御が困難であったり、薬剤の有害事象のために治療を継続できないため、病態に即した新しい治療法の開発が期待されている。本研究では、アミノ酸のアルギニンとその生体内センサーCASTOR1に着目し、アルギニンが抗体産生誘導に関わることやCASTOR1の欠損が自己免疫疾患の発症に関わることを見出した。本知見は、アミノ酸のセンシング機構と自己免疫疾患の関連性を示唆し、アミノ酸の量的・質的制御による新しい機序に基づいた病態制御機構の開発へつなげられる礎となる可能性がある。
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