研究課題/領域番号 |
19K17883
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
夏本 文輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20837653)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SLE / iPS細胞 / ゲノム編集 / 分化培養 / 免疫細胞 / IFN / 全身性エリテマトーデス / 患者由来iPS細胞 / 分化誘導 / T細胞 / B細胞 / NK細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は免疫細胞の異常により多彩な臓器障害を示す自己免疫疾患である。患者の免疫細胞の絶対数が少ないこと、治療及び環境などの背景因子の不均一性などがこれまで研究を難しくしている。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)は患者の少量の血液などから作られ、患者の遺伝子を引き継いでいる。患者由来のiPS細胞は環境及び治療の影響が少なく、自己増殖能があり、無限の研究材料を提供してくれる。 我々はSLE患者由来iPS細胞を樹立し、異常とされる免疫細胞(T細胞やB細胞)にシャーレの中で分化誘導し、薬剤スクリーニング、ゲノム編集などを通して、新規治療ターゲットの発見、創薬を目指している。
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研究成果の概要 |
我々は既報のマウスやヒトES細胞での方法を吟味し、Sac法 (Takayamaら、2008)をModifyした方法を用いて、ヒトiPS細胞からIFN産生樹状細胞、CD3陽性細胞、CD56陽性細胞、CD19陽性/VpreB・λ like発現細胞への分化培養に成功した。またSLE関連Variantsのゲノム編集を行い、IFN産生樹状細胞における機能改善/増悪を確認した。Sac法ではDay14時点に得られる幹細胞数に限りがあったため、我々はElizabeth S Ngらの報告を参考にし、feeder free、animal freeでの分化に取り組み、100倍以上の幹細胞誘導効率を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性エリテマトーデス (SLE) は代表的な自己免疫疾患であり、多彩な臓器障害を示す多因子疾患である。患者の免疫細胞に遺伝的背景に基づく異常が報告されているが、免疫細胞の絶対数が少ないこと、治療や環境などの影響を受けていることがこれまでの研究を難しくしていた。申請者らは患者のゲノムを引き継ぎ、環境及び治療の影響が少なく、無限のソースとなるSLE患者由来人工多能性幹細胞(SLE-iPS細胞)を用いた実験系を構築した。多因子疾患であるSLEにおいて、患者背景(複数の原因)を健常iPS細胞株に構築するのは困難であり、SLE-iPS細胞を用いる意義は大きいと考えている。
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