研究課題/領域番号 |
19K17900
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河野 通仁 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00835192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 精神神経ループス / ミクログリア / 活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
精神神経ループス(NPSLE)は自己免疫性疾患のひとつである全身性エリテマトーデスの最も重要な臓器病変である。現在病態は不明で、実臨床は経験的治療に頼っている。近年ミクログリアの2つの型、障害性と保護性がNPSLEの病態に関与していることが示された。 本研究ではNPSLEに関わる2つの細胞型の変換にかかわる分子遺伝機構を解明する。この基礎研究に基づき、障害性ミクログリアの割合を減らす薬物を探索することで、NPSLEに対する新規治療薬の開発へと展開する。 本研究で得られる成果は、NPSLE以外のミクログリアが関与する病態(パーキンソン病、脳梗塞、多発性硬化症など)に応用されうるものである。
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研究成果の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は自己免疫性疾患のひとつで若年女性に多く発症し、神経、腎臓、皮膚など様々な臓器病変を伴い生命予後にもかかわる。それらの中でも精神神経ループス(NPSLE)は最も重症な臓器病変のひとつである。本研究では脳細胞のうちミクログリアに注目して研究を行った。 ループスモデルマウスではコントロールマウスと比較し、ミクログリアの活性化が起きていた。さらにRNAシークエンスを行ったところ、複数のpathway、遺伝子で有意差を認めた。これらによりNPSLEにおける新規治療ターゲットが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NPSLEはSLE患者の20-40%に認められ、意識障害やてんかんなどを呈する。一部の患者では高次機能障害などが残存したり、またうつ病症状などから自殺に至る場合もあり、SLEのアンメットニーズの一つとなっている。またNPSLEの後遺症により内服薬のコンプライアンスが悪くなることも知られており、NPSLEはSLEの予後規定因子のひとつと考えられている。しかしその詳細は不明であり、エビデンスのある治療戦略も立てられていないのが現状である。本研究はNPSLEの新たな病態を明らかにし、新規治療薬への開発とつながる可能性がある。
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