研究課題/領域番号 |
19K17903
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
遠山 哲夫 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 講師 (30757513)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | GATA6 / BMP10 / Fli1 / ファスジル / ALK1 / 全身性強皮症 / hypoxia / BMPR2 / ActRIIB / SOD2 / GPX1 / BMP9/10 / Rho |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は全身性強皮症の病態において重要と考えられている線維化、血管の恒常性維持に関わるTAZ/YAP、Fli1、KLF5、およびBMP9/10シグナリングとGATA6がそれぞれどのように相互作用しているか解析し、ファスジルがこれらに対し疾患修飾的作用をもつかどうかを明らかにすることである。全身性強皮症は単一遺伝子疾患ではなく、複数の遺伝子が様々な要因により調節され、発症すると考えられている。複数の転写因子を同時に解析し、その相互作用を解析した報告は皆無に等しく、極めて独創性が高い研究と言える。
|
研究成果の概要 |
GATA6を肺血管内皮細胞で欠失させると、マウスにおいて肺高血圧が誘導された。抗酸化タンパク質が減少するとともに、ミトコンドリア機能不全によりROSが産生され、酸化ストレスが亢進することが明らかになった。血管内皮細胞のGATA6発現低下は液性因子を介して、周辺の血管平滑筋細胞のGATA6の発現を低下させ、細胞の異常増殖を誘導することが示唆された。BMP10はGATA6発現を誘導するが、GATA6をノックダウンするとBMP10受容体の発現が低下した。血清BMP10濃度は全身性強皮症患者において健常人と比較して低下しており、また野生型マウスにおいて低酸素におかれるとBMP10産生が低下した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性強皮症は血管障害と皮膚および内臓の線維化、免疫異常を特徴とする自己免疫疾患であり、重症例では生命を脅かす場合も少なくない。しかし、現時点では全身性強皮症に対し十分な効果を持つ治療薬は未だなく、指定難病となっている。 本研究において、全身性強皮症患者の血清BMP10の低下が、GATA6の恒常的低下につながり、血管障害を引き起こしていることが示唆された。一方ファスジルは血管障害を改善する作用が示され、全身性強皮症の治療への大きな手掛かりとなりうる。
|