研究課題/領域番号 |
19K17907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
渡辺 晴樹 岡山大学, 大学病院, 助教 (10761132)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / RAGE / びまん性肺胞出血 / ループス腎炎 / 組織マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、諸臓器の状態を一定に保つためにそれぞれの臓器に常駐している組織マクロファージに着目し、難治性自己免疫疾患である全身性エリテマトーデスにおけるその役割について自然免疫に関わる最終糖化産物受容体(receptor for advanced glycation endproducts : RAGE)遺伝子を欠損させたマウスを用いて検討し、RAGEの相互作用分子の探索からSLEの病勢を反映する新たな指標を同定し、治療薬候補の発見へと繋げる。
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研究実績の概要 |
8-12週齢の野生型およびRAGEノックアウトC57BL/6マウスにプリスタン0.5mlを腹注し、投与1‐2週後の肺の病理学的評価をおこなったところ、びまん性肺胞出血の程度に違いを認めなかったが、RAGEノックアウトにより線維化領域が拡大していた。気管支肺胞洗浄液中のTNF-αやIL-1βもRAGEノックアウトマウスで高い傾向があった。肺組織から得たcell suspensionをフローサイトメーターで解析したところCD11b-CD11c+SiglecF+肺胞マクロファージが増加していたがCD206を発現しており、M2様マクロファージの機能を有している可能性が示唆された。また野生型マウスでは肺胞マクロファージにRAGEが発現していた。 一方RAGEノックアウトC57BL/6と代表的な自然発症SLEモデルであるMRL/lprマウスを10-11世代戻し交配すると、RAGEノックアウトにより抗DNA抗体や蛋白尿、リンパ組織腫大など病勢が改善することをこれまで明らかにしてきたが、血漿のサイトカインレベルはIFNγ、TNF-αやIL-17AがRAGEノックアウトマウスで高い傾向があり、逆にIL-10は低い傾向があった。さらにリンパ組織においてCD3+ CD4-CD8- T細胞の増殖がRAGEノックアウトで減少していることも明らかとなり、その増殖能やアポトーシスにおけるRAGEの役割について検討を行っている。RAGEノックアウトマウスの脾臓においてはCD11b-CD11c+細胞が増加しており、このサブセットの検討も必要である。
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