研究課題/領域番号 |
19K17944
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山本 武司 久留米大学, 医学部, 講師 (20632566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 肺炎マイコプラズマ / 過酸化水素 / Mycoplasma pneumoniae / 持続感染 / PARP1 / 気道上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸器感染症の原因細菌である肺炎マイコプラズマは気道の上皮細胞を感染の足場にするが、本菌の産生する過酸化水素は感染上皮細胞を傷害することで感染症状の発現に寄与する一方で、感染の足場の破壊を招くことで本菌の感染の成立と維持の妨げとなっている可能性がある。このような仮説が正しかった場合、肺炎マイコプラズマは過酸化水素による感染上皮細胞の剥離を何らかの方法によって抑制することで感染を維持していると推測される。 本研究では、肺炎マイコプラズマが感染を成立・維持するための戦略として上皮細胞の剥離を制御するか解析する。さらに分子機構の解析により、本菌の持続的感染を抑制する新規治療法確立の基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
肺炎マイコプラズマはマイコプラズマ肺炎などの呼吸器感染症を引き起こす細菌である。本菌は感染症の治癒後も気道由来の検体から長期間検出されることが知られており、このような持続感染性が気管支喘息などの発症・増悪に関係していると考えられている。 肺炎マイコプラズマは気道の細胞を足場にして感染するが、本菌が産生する過酸化水素は気道の細胞を剥離させる作用があるため、持続的に感染するにはこの剥離を抑制する必要がある。 本研究では肺炎マイコプラズマが持つ細胞の剥離を抑制する機構について解析を行い、本菌がPARP1というタンパク質の機能を抑制することで過酸化水素による気道の細胞の剥離を低下させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎マイコプラズマは一般に急性感染症として気管支炎や肺炎を起こす細菌として知られているが、気管支喘息患者由来の検体の約45%から本菌が検出されるなど、同疾患をはじめとする慢性炎症性呼吸器疾患との関連も指摘されている。本研究ではこのような慢性炎症性呼吸器疾患の発症に肺炎マイコプラズマの持続感染性が関係しているという観点から、本菌の持続感染機構として感染上皮細胞の剥離抑制機構についての解析を行った。本研究の成果は肺炎マイコプラズマが関連する慢性炎症性呼吸器疾患を制御するための新しい治療法や予防法の開発に貢献することが期待される。
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