研究課題/領域番号 |
19K17947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
佐野 芳 国立感染症研究所, インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター, 研究員 (40832770)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | インフルエンザ / IgA抗体 / 経鼻ワクチン / インフルエンザワクチン / 抗体レパトア / 抗体 / インフルエンザウイルス / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「経鼻および注射型不活化インフルエンザワクチンの2種類のワクチンの接種により誘導された抗体集団が異なる」という作業仮説に基づき、抗体機能および抗体遺伝子の両面からのアプローチにより、経鼻ワクチンおよび注射型ワクチンにより誘導された抗体集団(レパトア)を明らかにする。ワクチン接種者由来抗体のモノクローナルレベルでの抗体機能評価及び遺伝子解析に構築される抗体機能と遺伝子的特徴とが紐づけされたデータセットと、次世代シークエンスにより得られる網羅的な抗体遺伝子レパトア解析結果から網羅的かつ定量的な抗体機能データを作製し、二種類のワクチン接種により形成される抗体レパトアの評価・比較を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は「経鼻不活化インフルエンザワクチンと注射型インフルエンザワクチンの2種類のワクチンの接種により誘導された抗体集団が異なる」という作業仮説に基づき、抗体機能および抗体遺伝子の両面からのアプローチにより、経鼻ワクチンおよび注射型ワクチンにより誘導された抗体集団(レパトア)を明らかにすることを目標としている。 前年度までは、経鼻不活化インフルエンザワクチンおよび注射型不活化インフルエンザワクチンの接種者由来形質芽細胞から抽出した抗体遺伝子をもとに作製したモノクローナルIgG抗体のうち、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)に結合活性を示す抗体クローンを中心に解析を行ったが、本年度はノイラミニダーゼ(NA)への結合活性がELISAにより認められた抗体クローンのより詳細な解析を行った。まず、昆虫細胞系を用いた組み換えNAタンパク質の作製系を習得し、各抗体クローン間でのNAへの結合活性を比較した。その後、各抗体クローンのノイラミニダーゼ阻害(NI)活性を測定し、抗ウイルス活性の特徴により、抗NA抗体のグループ分けを行った。今後は、グループ分けを行った抗体クローンについて、その活性の違いを生み出す遺伝子的特徴や構造的特徴についてより詳細に検証していく予定である。また、今後実施予定のワクチン接種者の遺伝子レベルおよびタンパクレベルでの抗体レパトア解析に向け、次世代シークエンサーを用いた抗体遺伝子の網羅的解析方法および質量分析器の使用方法についてオンライン講習や専門家とのディスカッションを通じて理解を深め、実験計画を立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの長引く流行により、研究に当該研究課題に取り組むことのできる時間が限られてしまった。また、本研究の遂行にあたり協力および指導を依頼する適切な次世代シークエンスおよび質量分析の専門家を探すのに想定以上の時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今までの研究の結果得られたインフルエンザウイルスのヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼに結合活性を有する抗体クローンについて、その活性の違いを生み出す遺伝子的特徴や構造的特徴についてより詳細に検証していく予定である。 また、注射型インフルエンザワクチンおよび経鼻インフルエンザワクチン接種者の末梢血単核級由来の拡散検体を用いて次世代シークエンス解析を行うことで、二つのワクチン接種者で誘導された抗体集団の遺伝子レベルでの比較を行うとともに、経鼻ワクチン接種者の鼻腔内のIgA抗体集団のペプチドレベルでの解析を質量分析器を用いて行う予定である。
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