研究課題/領域番号 |
19K17952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 亮 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80733815)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 熱産生 / 遺伝子発現制御 / 脂肪細胞 / エピゲノム / リン酸化 / プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
ベージュ脂肪細胞の分化には、βアドレナリン刺激によるエピゲノム変化を介した熱産生遺伝子の活性化が必要である。ヒストン脱メチル化酵素JMJD1Aはβアドレナリンシグナル下流でリン酸化され、抑制型ヒストンメチル化修飾を消去することでベージュ脂肪細胞を促進する。本研究では、JMJD1Aの脱リン酸化酵素複合体を明らかにし、白色脂肪のベージュ化におけるエピゲノム調節機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ベージュ脂肪細胞は活発に糖や脂肪を燃焼し、生活習慣病の新規治療標的として注目されている。ヒストン脱メチル化酵素JMJD1Aがβアドレナリンシグナル下流でリン酸化され、抑制ヒストンメチル化修飾を消去し、クロマチンを活性化することが知られている。本研究では、プロテオミクス解析を行い、リン酸化JMJD1A脱リン酸化酵素複合体 (phospho JMJD1A protein phosphatase complex, p-JMJD1A-PPC) を同定し、p-JMJD1A-PPCがJMJD1A S265のリン酸化を調節し、ベージュ脂肪細胞における熱産生遺伝子の発現制御に寄与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒストン脱メチル化酵素JMJD1Aのリン酸化調節に着目し、脱リン酸化酵素を同定し、その脱リン酸化酵素を阻害することでJMJD1Aのリン酸化を亢進させ、ベージュ脂肪細胞分化を促進できることを明らかにした。すなわち、脱リン酸化酵素のコントロールを介してヒストン脱メチル化酵素による遺伝子発現を調節できることを示しており、この点に学術的意義がある。また、これらの成果は肥満や高脂血症といった生活習慣病に対する治療薬開発に貢献できると考えられる。
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