研究課題/領域番号 |
19K17953
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
土岐 明子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30733935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脂肪細胞分化 / sfpq / RNAスプライシング / 白色脂肪細胞 / obesity / alternative splicing / transcription / SFPQ / HELTZ2 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満の病態解明には脂肪細胞分化の制御機構の解明が必須である。私達は、脂肪細胞分化の制御因子PPARγの転写共役因子であるHelz2のノックアウトマウスは高脂肪食誘導性肥満に抵抗性を示すことを報告した。またチロシンリン酸化HELZ2に結合する新規分子としてSFPQ/PSFを同定した。本研究ではpre-mRNAスプライシング因子であるSFPQ/PSFのRNAスプライシングやその他の転写因子として機能などの詳細を検討し、PPARγ-Helz2- SFPQ/PSF複合体による脂肪細胞分化誘導機構を明らかとする。これより発見される経路の分子を標的とした新規肥満症治療薬の開発の端緒となることが期待される。
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研究実績の概要 |
これまでに申請者らは3T3-L1前駆脂肪細胞を用いて、splicing factor proline/glutamine-rich (Sfpq)にかかわる転写因子群について検討を行ってきた。 Sfpqをノックダウンすると白色脂肪細胞分化が抑制されることが判明している。electroporation法によって特異的small interfering RNAを3T3-L1前駆脂肪細胞 に導入した。その後白色脂肪細胞への分化を誘導し、白色脂肪細胞分化早期あるいは分化後期の転写因子群において、Sfpqのノックダウンによる変化を検討した。白色脂肪細胞分化早期に誘導される因子群としてCebpb, Cebpd, Krox20などが知られており、Sfpqをノックダウンすることでこれらの因子群の遺伝子発現が減少することが定量的PCRで示された。また、分化後期に誘導される因子であるPparg, Cebpa, Fabp4についても遺伝子発現が抑制された。これまでの成果についてまとめた論文を2022年6月に発表した。 既報ではSfpqとmRNAスプライシングやそれにかかわる因子群との連携についても報告されていることから、Sfpqをノックダウンした場合のエクソンの変化を検討することとした。siRNAによりSfpqノックダウンを行い、得られた検体についてサンプル数を増やしてRNAシークエンス解析を実施した。コントロールと比較して、有意差を持ってスプライシングに変化のある複数の脂肪代謝に関連する因子を抽出した。今後その解析を進め、関連する因子とSfpqの関連について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
家族や自分自身の体調不良を経験し、またCOVID19やインフルエンザの罹患を経験し、ときによって業務の優先順位を下げて家族と自宅で過ごす機会が増えたため。
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今後の研究の推進方策 |
サンプル数を増やしたシークエンス解析の結果を統計的に処理し、関連分子の相関を把握する。また、Sfpqによりスプライシングが制御され、さらにそのアイソフォームが脂肪細胞分化に重要と思われる分子について、個別の検討を行う。定量的PCRをもちいて、実際にアイソフォームが変化していることを確認する。続いて該当スプライシング領域の機能の検討を行う。さらにSfpqがスプライシングに変化を及ぼすこと、またどのような因子と関連して脂肪細胞分化に関与するかを検討する。
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