研究課題/領域番号 |
19K17956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
唐島 成宙 金沢大学, GS教育系, 助教 (30801584)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ステロイド / 生活習慣病 / メタボロミクス |
研究開始時の研究の概要 |
志賀町研究で保存されている一般住民の検体を用い、約20種のステロイドホルモンを網羅的に測定し、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の発症に関与する疾患特異的バイオマーカーステロイドの探索を行う。バイオマーカーステロイドの合成酵素や酵素阻害の機序は新たな創薬のターゲットとなる。未病段階で高リスク対象を発見し治療や指導介入を行う先制医療モデルを形成するための疫学研究である。
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研究成果の概要 |
予備実験より、高血圧症の発症機序にステロイド代謝物と腸内細菌叢の関与が疑われた。そこで我々は一般住民242名を対象に、腸内細菌叢の構成と高血圧有病率を比較し、Bifidobacterium属などの存在比の低い腸内細菌叢を持つ群は、低食塩摂取でも高食塩と同等の高血圧有病率であることを示した。特にB. bifidumやB. Breveとの関連が強い傾向にあり、IL-17などのサイトカインとの関連が強く、ステロイドメタボロミクス解析の結果、いくつかのミネラロコルチコイドとの関与が示唆された。さらなる食塩感受性高血圧発生機序を解明のためにメタゲノム解析や動物モデへの移植実験を追加予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢―代謝ネットワークを介した食塩感受性高血圧の発症機序の解明後、食塩感受性高血圧の診断バイオマーカーとしての腸内細菌叢の構成比や細菌叢由来代謝物の有用性を臨床的示し食塩感受性の個体差を考慮した精密医療へつなげることが次の展開と考えている。心血管イベントの発症しやすい食塩感受性高血圧の早期診断やプロバイオティクス、プレバイオティクスによる治療介入を行うことで、日本の国民病ともいうべき高血圧の新しい診療アプローチに繋がり、最終的には、心血管イベントを抑制し現代人の健康寿命の延伸に貢献する可能性がある。
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