研究課題/領域番号 |
19K17970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
成定 明彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20800965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病予防 / 健康診断 / 機械学習 / 前糖尿病 / 空腹時血糖異常(IFG) / スクリーニング / 隠れマルコフモデル / 特定保健指導 / 境界型糖尿病 / 脂肪肝 / 糖尿病 / マルコフモデル / 産業保健 / 予防医学 / 健康診断データ |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病発症予防のための生活習慣改善介入は有効だが、介入ターゲットとなる「ハイリスク者」の選定で、例えばHbA1cのみの方法などの限界が示されている。様々な糖尿病リスク因子もわかっているが、一時点のみの状態であり、毎年健康診断を行い、結果データが蓄積していくわが国の特性をふまえた糖尿病ハイリスク者選定方法の構築が望まれる。 本研究では、毎年データが蓄積されることをふまえた、糖尿病の発症モデルを構築する。隠れマルコフモデルで「未病状態」⇔「ハイリスク状態」→「糖尿病」という「状態と遷移」を動的に捉えた発症モデルを構築し、より的確なハイリスク者選定法や若年からの包括的な糖尿病発症予防法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、隠れマルコフモデルを労働者の健康診断データに適用して、糖尿病発症モデルを構築した。モデルは、未病(健康)の状態、ハイリスク状態、糖尿病の状態を決め、状態から状態へ、毎年行き来(遷移)があるものとした。モデル構築の結果、「ハイリスク状態」の推定分布(104.6±7.1 mg/dl)から、2型糖尿病のハイリスクを110 mg/dL としているWHOのカットオフポイントは高すぎる可能性が示唆された。さらに、「ハイリスク状態」から「正常状態」への移行確率の推定値が0.01%と非常に低いことから、「ハイリスク状態」に至った者は「正常状態」に戻ることはほとんどない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
健康診断縦断データに機械学習モデルを当てはめた結果、これまでの「ハイリスク」基準が高すぎること、「ハイリスク状態」に至った者は「正常状態」に戻ることはほとんどない可能性が示唆された。したがって2型糖尿病予防のためには、特定保健指導の文脈とは別に「ハイリスク状態」として特定された個人に対する毎年のモニタリングと継続的な介入が必要であること、「ハイリスク状態」に至らないための「正常状態」の者たちへのポピュレーションアプローチが重要になることが推察された。 このように、機械学習による2型糖尿病発症モデルは、発症の実態と予防戦略についての理解を向上させる可能性がある。
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