研究課題/領域番号 |
19K17977
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桜井 賛孝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70748376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インスリン分泌 / 膵β細胞 / ユビキチン / 糖尿病 / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
近年のヒトゲノムワイド関連解析の結果、様々な人種・地域における2 型糖尿病の疾患感受性遺伝子が同定されている。そのような中で2010年に当科のグループにより日本人や東アジア人でのみ有意な2型糖尿病遺伝子としてUBE2E2が報告された。UBE2E2はユビキチン修飾系においてユビキチンのキャリアー蛋白として機能する種々のE2の中の一つであるが、その機能に関しては明らかでない点が多く、特に膵β細胞における役割は不明である。そこで我々は、発生工学的手法を用いて膵β細胞特異的UBE2E2トランスジェニックマウスを作製し、その表現型を解析することで膵β細胞でのUBE2E2の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
ゲノムワイド関連解析で東アジア人特有の2型糖尿病関連遺伝子としてUBE2E2が報告されたが、その機序は不明である。膵β細胞における役割を検証するため、膵β細胞特異的UBE2E2トランスジェニックマウス(TGマウス)を作製した。独立した2ラインで糖負荷試験時のインスリン分泌低下を伴う高血糖を呈した。離乳期以前のβ細胞量と増殖能の低下、p21の発現高値を認めた。プロテオーム解析でMesothelin(MSLN)の著明な低下を認めたが、MSLN全身ノックアウトマウスは正常耐糖能であった。 膵β細胞のUBE2E2の過剰発現は個体としての膵β細胞量の低下を介して糖負荷後のインスリン分泌低下に関与していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究に用いるモデルマウスは当研究室で独自に作製されたものであり、類似の研究結果は国内外を含め未だ報告されていない。また、以前より日本人と欧米人の糖尿病の病態は異なることが広く知られているが、本研究結果で明らかになった事象に基づき検討を行うことで、日本人に特徴的な糖尿病発症の素地やメカニズムの一端を解明できるかもしれない。
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