研究課題/領域番号 |
19K17987
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木下 康之 広島大学, 病院(医), 講師 (90750993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 成長ホルモン / 成長ホルモン分泌不全症 / ホルモン補充療法 / 高次脳機能 / ウェアラブルデバイス / 成長ホルモン補充療法 / 高次脳機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
成長ホルモン(GH)と高次脳機能の関係はいまだ未知の領域であり、本研究はその先駆けとなる。GH分泌不全症患者の高次脳機能、GH補充療法を行った後の高次脳機能を評価し、GH補充療法により得られる改善効果を検証する。さらに補充の効果が期待できる患者さんを治療前に選別し、GH補充療法が適切に導入できるような新たな治療指針を示す。 間脳下垂体腫瘍の手術前、手術後、GH補充療法後にデータを収集する。収集するデータは血清ホルモン値(下垂体負荷試験)などの既存資料に加え、手術で得られた腫瘍継代細胞から分泌される微少ホルモン値、iPadと磁気センサー型指タッピング装置を用いて収集する高次脳機能データとする。
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研究成果の概要 |
重症成長ホルモン(GH)分泌不全症(sGHD)の患者は意欲の低下、うつ傾向あるいは集中力の低下等を訴えることがある。そのような患者に補充療法を行うと血液検査等では評価できないGH補充の効果を感じるが、客観的なデータはない。 本研究はGH補充による高次脳機能改善による微細な運動能力向上に対する客観的なデータを示すため、補充を行った患者に、補充前と1年後にJust TouchとJust Tapを用いて反応速度、思考時間、手指の微細な運動を計測した。1年後、Just Tapでは手指の運動において運動能力の向上に加え、非利き手の運動制御能力に改善が見られ、GH補充の効果を証明しうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重症成長ホルモン分泌不全症は代謝性の問題や筋力低下などの内因性の問題以外にも本研究の目的である高次脳機能や精神面にも大きな影響を及ぼす。本研究ではこれまで客観的な評価ができなかった精神面への治療効果を客観的なデータとして提供することが可能である。つまり、患者側に対しては、GH分泌不全ではあるが代謝的な問題が発生していない患者に対して、補充を行うことで一定の治療効果が出ていることを示すことができる、つまり治療継続の意欲を持たせることができる点、医療を提供する側に対しては治療継続の判断の助けになる点が、社会的意義が高い結果であると言える。
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