研究課題/領域番号 |
19K17990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小谷 晋一郎 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (30783964)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 糖尿病 / 移植・再生医療 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
褐色脂肪細胞は生体内の糖脂質代謝や体温調節を司るが、2型糖尿病の患者ではその機能が低下している。そこで、患者自身の細胞から褐色脂肪細胞を作出して移植できれば、糖尿病に対する新しい再生治療法を提案できる可能性がある。最近我々は、遺伝子を改変せずに線維芽細胞を褐色脂肪細胞様細胞に高効率に誘導する技術を見出した。線維芽細胞は容易かつ低侵襲に採取可能な体細胞であり、本法は遺伝子改変を用いない安全な技術であるため再生治療への応用に理想的ではあるが、誘導した細胞には未解明な点が多い。そこで本研究では、誘導細胞の機能、糖尿病抑制効果と誘導メカニズムを解析し、新しい糖尿病再生治療法の基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
褐色脂肪細胞は余剰エネルギーを熱として散逸し、糖脂質代謝や体温調節を司るが、糖尿病患者ではほとんど消失している。糖尿病患者の体細胞を褐色脂肪細胞に転換して自家移植できれば、新しい再生治療法を開発できる可能性がある。我々はヒト線維芽細胞を、小分子化合物を添加した培地で培養し、褐色脂肪細胞に直接転換する方法を見出した。本法で作出される細胞は褐色脂肪細胞フェノタイプを示すとともに、外来遺伝子を含まず造腫瘍性がないまたは低い等の利点を有するが、その機能と転換メカニズムは未解明である。本研究において、我々はこれらの解析を行い、作出した細胞の褐色脂肪細胞機能と直接転換機序についての新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに我々の研究室では、遺伝子導入を用いて線維芽細胞を褐色脂肪細胞に直接転換させる技術も開発し、得られた細胞を糖尿病モデルマウスに移植するとインスリン抵抗性と脂質異常症を改善できることを報告したが、本技術で作出される褐色脂肪細胞は、機能的であるとともに、遺伝子を導入せずに小分子化合物を添加して培養するだけで短期間に調製できるため、再生医療への応用においてより有用であると考えられる。本研究でこの細胞の機能的特性を解析したことにより、その可能性がさらに高まった。また、コンヴァージョン機構の解析によって、褐色脂肪細胞への直接転換機序解明に近づいた。
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