研究課題/領域番号 |
19K17992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
三石 木綿子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60468486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アルドステロン / 高血圧 / 副腎腫瘍 / CYP11B2 / アルドステロン産生細胞クラスター(APCC) / 食塩感受性高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
食塩感受性高血圧は日本人に多いとされるがその成因の解明および予防や治療に結びつく基礎的知見は未だ多くない。 慶應義塾大学医学部はナトリウムおよび血圧を調整するホルモンであるアルドステロンの合成酵素であるCYP11B2の特異的染色の技術を確立し、副腎腫瘍の皮質球状層におけるアルドステロン産生細胞クラスター(APCC)の概念を世界に先駆け報告した。 APCCは加齢とともに副腎皮質球状層に島状に散在すると報告され年齢がAPCC形成の規定因子であることが示唆される。本研究では手術摘出された機能性副腎腫瘍の組織標本を用いAPCC形成と関連性の高い因子を同定しAPCCの生理的および病的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
アルドステロン産生細胞クラスター(APCC)は、加齢とともに増加することが報告されているが、原発性アルドステロン症などの高血圧性病態を呈する機能性副腎腫瘍におけるプロフィールおよびその成因については、未だ十分に解明されていない。本研究では、当院で手術治療を受けた副腎腫瘍64例を対象に、病理標本におけるAPCCのサイズおよび数を定量し、ホルモン値を含めた各種パラメーターとの関連性について評価を行った。アルドステロン産生腺腫および褐色細胞腫におけるAPCC形成は生理的制御下にある一方、特発性アルドステロン症におけるAPCCは、病的な形成過程を経てその病態形成に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
APCCは、2010年から唱えられるようになった副腎皮質球状層の新しい構造的概念であり、これが生理的なホルモン動態に関与しているのか、何らかの病的意義があるのかは、未だに結論が出ていない。原発性アルドステロン症や褐色細胞腫(二次性アルドステロン症)など複数の機能性副腎腫瘍を比較して、APCCの意義および成因について検討した研究・報告はこれまでになく、標本数が豊富な当院のアドバンテージを活かして、本検討を行った。本研究結果から、病態によってAPCCの意義が異なることが明らかになり、今後の高血圧性疾患の病態解明および新規治療アプローチの開発につながる成果であったと考えている。
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