研究課題
若手研究
肝臓は生体内で最も多くの貯蔵鉄を有し、NAFLDにおいて肝鉄過剰蓄積が高頻度にみられる。本研究では鉄代謝制御を介した肝臓におけるインスリン抵抗性の分子機構を解明する。p53下流遺伝子で鉄代謝調節作用を有するferredoxin reductase(FDXR)に着目して、①非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスを用いたp53活性化とFDXRの発現解析②アデノウイルスベクターとCRISPR/Cas9を組み合わせた肝特異的FDXRノックアウトマウスの作製を行い、鉄代謝調節分子FDXRの肝インスリン抵抗性、肝糖新生、NAFLD病態進展(脂肪肝→肝線維化→肝癌)における役割を明らかにする。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)・糖尿病ではインスリン抵抗性増大に伴う肝糖新生亢進が高血糖の一因となるが、その病態は複雑で十分には解明されていない。本研究では鉄代謝制御を介した肝臓におけるインスリン抵抗性の分子機構を解明することを目的とした。鉄代謝調節作用を有するferredoxin reductase(FDXR)に着目して、肝臓特異的FDXR過剰発現マウスとFDXRノックダウンマウスを用いて解析を行った。本研究の結果から、FDXRは肝臓への鉄蓄積の抑制と糖新生抑制を行うことが示唆された
肥満及びメタボリックシンドロームの増加に伴い非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率が上昇しているが、NAFLDの治療選択肢は限られている。新たな肝臓におけるインスリン抵抗性の制御機構の解明は新規のNAFLD治療薬・糖尿病治療薬の開発につながる重要な課題である。本研究では、肝臓特異的FDXR過剰発現マウスとFDXRノックダウンマウスを用いた解析から、FDXRが肝臓への鉄蓄積の抑制と糖新生抑制を行うことが示唆された。本研究の成果が、新規NAFLD治療薬・糖尿病治療薬への臨床応用に展開するための基盤になることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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