研究課題/領域番号 |
19K18002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
五十嵐 喜子 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (30837688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ベージュ脂肪細胞 / 肥満 / M2マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
寒冷下で皮下脂肪中に増加するベージュ脂肪細胞はエネルギー放出型の脂肪細胞である。このため、ベージュ脂肪細胞の増加は肥満の予防やインスリン抵抗性改善の鍵として期待される。M2マクロファージを任意のタイミングで除去できる遺伝子改変マウスでは野生型と比較しベージュ化が亢進することから、申請者は「M2マクロファージがベージュ前駆脂肪細胞の増殖や分化を抑制する」という仮説のもと、M2マクロファージの除去が肥満の代謝改善に寄与するかを検討し、ベージュ化のメカニズムの解析やベージュ脂肪細胞の起源の同定を行う。これにより、新たな作用機序を有する抗肥満・抗糖尿病薬の開発に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
一般的に「脂肪」と呼ばれる白色脂肪細胞はエネルギー蓄積型であるが、寒冷刺激後に現れるベージュ脂肪細胞はエネルギー燃焼型で基礎代謝を高める。抗炎症性のM2マクロファージ(M2 Mφ)を任意のタイミングで除去できる遺伝子改変マウスを用いて、M2 Mφ除去後のマウスに寒冷刺激を施してベージュ化を促し、野生型に比べてベージュ前駆脂肪細胞の増殖が誘導され、ベージュ脂肪細胞が増加し、耐糖能・インスリン抵抗性の改善が起こることを明らかにした。さらに、このM2 Mφ除去によるベージュ化の促進のメカニズムを明らかにするため、遺伝子改変マウスの作製を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
M2マクロファージの除去は脂肪組織中のベージュ脂肪細胞を効率よく増加させた。この発見は、エネルギーを蓄積しやすい体質からエネルギーを燃焼しやすい体質へと変化させるために、M2マクロファージの働きを制御することが重要であることを示した。これは、代謝疾患を持つ人々にとどまらず、代謝の高い健康的な体作りにM2マクロファージが重要な役割を持つことを示し、本研究成果を応用することで、運動に頼らない、新しい体質改善方法を見出せる可能性を持つ。
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