研究課題
若手研究
本研究課題では高血圧モデル動物,発生工学的手法により作製した組織特異的ATRAP発現制御動物およびヒト組織を用いて,ATRAPの発現・活性調節異常と高血圧・高血圧関連臓器障害との関連について多面的に検討し,高血圧・高血圧関連臓器障害の発症・進展におけるATRAPの病態生理学的意義の解明,およびATRAPに着目した新規分子標的治療法の開発に向けた検討を行う.ヒト組織でのATRAP発現レベルと,高血圧および高血圧関連臓器障害の重症度と臨床指標との関連を検討することにより,その早期診断法や新規治療法の発見につながる可能性がある.
1型アンジオテンシンII(Ang II)受容体 (AT1受容体) は,高血圧および高血圧関連臓器障害を増悪させる受容体である.研究代表者の研究室ではAT1受容体への新規結合分子の単離・同定に世界で初めて成功しATRAPと命名した.尿細管で高発現しているATRAPの機能解析を行ったところ,近位尿細管でのATRAP発現は高血圧発症にあまり寄与しないことわかった.
腎尿細管で高発現しているATRAPの活性化を行うことで,高血圧治療及び慢性腎臓病などの腎疾患における新たな分子標的治療実現のための検討を行うことを目的とする.特に慢性腎臓病については,現時点で特効薬がない疾患でありながら患者は増加の一途をたどっており,病態改善に寄与する治療が実現できれば,社会的意義は大きいと考える.
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Journal of the American Heart Association
巻: 8 号: 8
10.1161/jaha.119.012395
Scientific Reports
巻: 9 号: 1 ページ: 16550-16550
10.1038/s41598-019-52566-y