研究課題/領域番号 |
19K18015
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
井上 有威子 (水沼有威子 / 水沼 有威子) 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80784008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 線維化 / CD-1db/dbマウス / AcSDKP / 糖尿病腎症 / 戻し交配 / 臓器線維化 / 膵島萎縮 / 肝臓 / 内因性抗線維化ペプチドAcSDKP / 腎線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病腎症モデルとして重度の線維化を呈するモデルマウスは存在しない。予備的検討で、CD-1系統にレプチン受容体不全db遺伝子を戻し交配で導入することでCD-1db/dbマウスを作成し、CD-1db/dbがBKSdb/dbに比し重度の腎線維化を認め、尿中抗線維化ペプチドAcSDKPが低値となることを確認した。これらの結果は、CD-1db/dbが腎アウトカム解析に優れたモデルであることを示唆し、本申請ではCD-1db/dbをBKSdb/dbと比較し網羅的に解析し、CD-1db/dbを用いた実験治療を行い、責任分子機構の解析を行う。本研究の完遂は、2型糖尿病腎症に対する治療標的の創出につながる。
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研究成果の概要 |
新たな2型糖尿病腎線維化モデル動物となり得るCD-1db/dbマウスは、腎臓以外に心臓や肝臓においても線維化を呈すること、さらに膵島の委縮や膵β細胞量低下を示すことも明らかとなった。本研究では、CD-1db/dbマウスを2型糖尿病研究に汎用されるBKSdb/dbマウスと比較し解析すること、CD-1db/dbマウスを用いた実験治療を実施し責任分子機構の解析を行うことで、2型糖尿病による腎症に対する治療標的の創出を目的とした。14世代目CD-1db/mマウス同士での交配により14世代目CD-1db/dbマウスの十分な個体数が得られ、本学においてもCD-1db/dbマウスが確立できたことを報告する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年時点の透析導入症例における原疾患のうち、糖尿病性腎症は38%を占めており、糖尿病性腎症の発症・進行を防ぐことの重要性は以前から強調されている。2型糖尿病に伴う腎障害の病理学的特徴として、糸球体病変を呈するもの、尿細管間質病変が顕著なもの、血管病変が進展した腎硬化症の特徴を有するものなど1型糖尿病に比し多岐にわたることが報告されている。2型糖尿病かつ腎線維化を呈するモデル動物は存在しなかったが、CD-1db/dbマウスがその役目を果たせると考えられ、CD-1db/dbマウスの詳細な解析や実験治療を行うことで、特異的治療法の存在しない腎症に対する新たな治療戦略の創出につながると考える。
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