研究課題/領域番号 |
19K18022
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
秦 佳孝 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (90815094)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 神経芽腫 / PDOX / がん幹細胞 / PDX |
研究開始時の研究の概要 |
進行・再発神経芽腫は難治であり、その治療抵抗性の獲得にはがん幹細胞を中心とした腫瘍組織の不均一性と、それを支持する微小環境の存在が関わっている。患者由来同所性異種移植モデル(Patient-Derived Orthotopic Xenograft,以下PDOX)は、患者由来の腫瘍を同所性に免疫不全マウスに移植したモデルである。このモデルでは腫瘍組織の不均一性・微小環境などが忠実に再現され、原発腫瘍の増大と遠隔転移を生じる。本研究では神経芽腫PDOXモデルを樹立し、発生した原発腫瘍・転移腫瘍に対して網羅的ゲノム/遺伝子発現解析を行い、神経芽腫が難治性を獲得するメカニズムを解明する。
|
研究成果の概要 |
免疫不全マウスを用いて患者由来腫瘍の移植実験を行ったが生着しなかった。そこでNeurosphere形成法によりがん幹細胞を濃縮し、得られたsphereで移植実験を行ったが同様だった。このため神経芽腫細胞株のsphere形成時に発現上昇するポリコーム複合体PRC2サブユニットであるEZH1に着目した。複数の細胞株においてEZH1のノックダウンはアポトーシスによる細胞死をもたらした。マイクロアレイ法およびChIPシーケンス法により、EZH1はMYCNと協調して下流のcell cycleに関わる遺伝子群の発現を調整していた。EZH1阻害により難治性神経芽腫に対する新規治療法開発の可能性が期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経芽腫は小児悪性固形腫瘍としては脳腫瘍に次いで多く、良性に近いものから極めて悪性度の高いものまで、多彩なcharacterを示す腫瘍である。進行神経芽腫は集学的治療により約7割が寛解となるが、その約半数は再発をきたす。再発腫瘍は治療抵抗性を獲得し、様々なサルベージ治療が奏功せずに不幸な転帰をたどる場合が多い。今回の研究では神経芽腫の難治性に関わるとされる、がん幹細胞を標的とした治療の可能性を示した。今後標的遺伝子の同定と阻害効果を検討したい。
|