研究課題/領域番号 |
19K18028
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
柏原 秀也 徳島大学, 病院, 特任助教 (10548738)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Bariatric surgery / 腸内細菌叢 / 肝発癌 / 肥満 / 2型糖尿病 / NASH / Duodenal-jejunal bypass / DJB / Gut microbiota / 胆汁酸 / NKT細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに研究者は、ラットDuodenal-jejunal bypass (DJB)モデルを用い「肥満症」に対する外科治療 (Bariatric surgery)は2型糖尿病・NASH改善効果を有し(JGH 2015)、その効果には腸内細菌叢Gut microbiotaの変化や胆汁酸が関与すると報告した(Surgery today 2017)。近年、腸内細菌叢(Clostridium減少)による二次胆汁酸の低下がNKT細胞を増加させ、肝癌抑制に寄与することが報告された(Science 2018)。本研究ではDJBによる腸内細菌叢の変化(Clostridium減少)は二次胆汁酸を低下させ、NKT細胞を増加させることで、肝発癌抑制・予防につながりうると仮説を立て検討を行うこととする。
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研究成果の概要 |
肥満手術による肝発癌予防効果について検討した。<方法>(1)ラットを肥満手術群、開腹のみ群に分け術後8週で腸内細菌叢、腸管炎症マーカー、腸管バリアを表すclaudin-1、肝腫瘍を比較。(2)ラットを肥満手術群、開腹のみ群に分け肝発癌誘導剤を投与し肝腫瘍を比較。<結果>(1)肥満手術群で糖尿病・脂肪肝炎改善に関わるProteobacteriaが増加。肥満手術群で腸管炎症マーカーは低くclaudin-1は強発現した。2群とも肝に腫瘍形成はなし。(2)両群ともに肝臓が腫瘍に置換され差はなし。<まとめ>肥満手術では腸管炎症沈静化・透過性の維持により臓器への炎症波及が抑制され発癌が予防された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を行う上で、DJBが腸内細菌叢microbiotaにどのように影響を及ぼしているのか、またこのmicrobiotaの変化がどのように2型糖尿病・NASH・肝発癌に影響しているかを検討することは極めて重要となってくるが、これが判明した際には、これまで内科的治療では到底改善できなかった肥満・糖尿病・NASHやそれらに関連する疾患や発癌に対する治療アプローチが一変する可能性がある。
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