研究課題/領域番号 |
19K18030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西山 加那子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (50763348)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HER2 / EGFR / CNKSR1 / PTPRH / phosphatase / protein array / 乳癌 / 分子標的薬 / ホスファターゼ / リン酸化 / キナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
現在、乳癌に対する分子標的薬は初期投与では著効するが、薬剤耐性や副作用の問題があり、乳癌特異的な分子標的薬の開発標的となる新規な細胞増殖制御機構の導出が重要である。本研究では、当該ユビキチンE3複合体依存的な増殖シグナル制御機構を分子レベルで詳細に解明し、乳癌治療に応用することを目的とする。具体的には、当該ユビキチンE3複合体CUL3/BTBP/Rhoが標的とするprotein kinase/phosphataseを同定する。次に、同定したprotein kinase/phosphataseに関して、Rho proteinとの結合阻害剤を新しい乳癌治療薬のシーズ化合物として導出する。
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研究成果の概要 |
CUL3はCullin-RING型ユビキチン(Ub)リガーゼ複合体の足場タンパク質であり、KCTD10と複合体を形成し、RhoBをUb化しタンパク質分解に導く。CUL3/KCTD10によるRhoBのタンパク質分解はHER2陽性乳癌細胞の細胞増殖に必須であり、この研究ではその詳細な細胞増殖機構を分子レベルで解明した。コムギ無細胞タンパク質合成系により整備されたヒトプロテインアレイの中から、RhoBにより制御される足場タンパク質CNKSR1とEGFR phosphataseであるPTPRHの同定に成功し、HER2陽性乳癌における新規分子標的薬の可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌のうち約20%はHER2陽性乳癌であり、HER2陽性乳癌は一般的に増殖能が高く予後不良である。抗HER2薬の開発によりその予後は改善しているが、長期使用に伴う薬剤の耐性化などは未だ問題となっている。我々の研究において、HER2陽性乳癌における新規な増殖メカニズムを分子レベルで解明した。これらの分子を標的とした薬剤は、HER2陽性乳癌におけるHER2以外を標的とした新しい治療戦略となり得る。
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